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» 2006年05月18日 13時12分 UPDATE

Trend Insight:VIAのオープンソース戦略に再び非難

台湾のマザーボードとチップセット製造会社、VIAのオープンソース戦略について批判が浴びせられている。同様の業種において、同社だけがほかと著しく異なる戦略を採っているのだろうか。

[Jay-Lyman,japan.linux.com]
SourceForge.JP Magazine

 台湾のマザーボードとチップセット製造会社、VIAは、同社のオープンソース戦略をめぐってまたもや非難を浴びており、あるオープンソース開発者は、同社のやり方はGNU General Public License(GPL)違反を「助長」するものだと批判している。

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 VIAに対しては、これまでもオープンソース開発者たちから多くの批判と懸念の声があがっていた。同社の姿勢は、オープンソース開発者の要求と基準をずっと満たさずにいる。同社の関心は、開発者に優れたコードを提供することよりも、オープンソース開発で市場の話題にのることに向けられている、と批判する開発者もいる。

 VIAは今春、メディアチップセットのソースコードをドロップしたが、Unichrome開発者のリュック・ベルへ−ゲン氏は、今回ライセンス条項がまたもや後退し、多少なりともオープンソース的だったのがオープンソースからかけ離れたものになったという。同氏は、今回のライセンス変更は過去のVIAの過ちを思い起こさせるものだといっている。同氏によれば、新しいコードドロップのVidStruc.hとVinline.hのライセンスでは、保証免責がVIAとグラフィックス会社S3に限られ、コードを利用するオープンソース開発者は対象とならないように逆行し、また、VIAのビデオ出力コードviampg.hでは、MITライセンス条項がプロプライエタリ免責に置き換えられ、これも会社側の開発だけが対象になっている。

 「明らかにこれはオープンソースソフトウェアではない。これはプロプライエタリのナンセンスだ」とベルへ−ゲン氏は書いている。同氏はこれまでもVIAと対立してきた。

 ベルへ−ゲン氏からNewsForgeに届いた電子メールによる回答で、同氏はVIAが「GPL違反を大いに助長している」と述べ、前のライセンスと免責条項ではFree Software Foundationライセンスに違反してコードを管理しようとしていたと説明している。

 NewsForgeが入手した付加条項の「ソースコード情報(GPLベースのソースファイル)」という項では、これに署名する開発者は「VIA外秘ソースコードの全部または一部、あるいはそのオリジナル形式または変更した形式を、VIAが当該VIA外秘情報ソースコードを既にパブリックドメインにリリースしたという書面による承諾をVIAからの事前に得ている場合に限り、リリースできる」と定めている。

 「これは、ソースコードの頒布だけを規制したもので、そこから作成されるバイナリは対象になっていません」とベルへ−ゲン氏は書いている。「ですから、この文書に署名すると、一方ではGPLに準拠し、他方では完全に違反する区分を、VIAから指示されることになるのです」

 Townsend and Townsend and Crewのパートナーでソフトウェア関連法律専門家のフィル・アルバート氏は、VIAが自社の所有ではないソフトウェアにまで制約を課せばGPL違反となる可能性があるという。「付加する制約の適用対象が、完全にVIAの所有ではないものであったり、GPLに基づいて配布したものであったりすれば、問題になります」だが、付加条項を確認したところ、VIAの行為がGPL違反あるいはGPL違反の助長となるかははっきりしなかったとアルバート氏はいう。「このライセンスではVIAの情報の利用についてかなりの自由度を認めているので、これが違反といえるかどうかは明確ではありません」

 VIAの行動について、ベルへ−ゲン氏とは異なる見解を示すオープンソース開発者たちもいる。元Unichrome開発者で、いまはopenChromeという別のオープンドライバプロジェクトに携わっているアイバー・ヘウィット氏は、VIAのオープンソース対応は改善されているという。

 「VIAとその姿勢に関していえば、同社と何回かやり取りした中では、過去のことはあるものの、VIAはわたしたちとの協力に強い意欲を見せており、どうすれば役に立てるか知りたがっていました」とヘウィット氏はいう。「VIAはおそらく、わたしたちが聞きたがっていると思うことを言おうとしているだけなんでしょう。実際はどうか分かりませんが、わたし自身がやり取りした限りでは、VIAはとてもオープンで誠実だと感じました」

 ベルへ−ゲン氏はVIAに、オープンソース開発の柱を堅持するよう求めている。例えば、フリードキュメント、閉ざされた形ではない直接的な関与だ。「オープンソース化で市場における優位性を得たいのなら、VIAはオープンソースにきちんと取り組むべきです」と同氏はいう。「マーケティングを拡大すればするほど多くの目が向けられ、いろいろ言われるのを免れないと認識しなければなりません。信頼性の維持こそが大切なのです」

 「実質的なオープンソースサポートはいまだに用意されていません。VIA Arenaはユーザーがユーザーを助ける場所です。VIAのチップセットがなんとか食い込んでいる組み込み市場では、フリーソフトウェアがいままさに流行っているのです」ベルへ−ゲン氏は、例えば、Northbridgeの統合グラフィックスK8M890のソースコードはオープン化されていないという。「起こり得る知的財産権の問題が理由なのではありません。オープン化してもVIAにはマーケティング的になんのメリットもないという、それだけの理由です」

 これに対し、VIA Arenaのエディタであるフィオナ・ガット氏は、VIAは何人かのオープンソース開発者を実際にサポートし、協力していると述べ、ただ現在のところ、プロプライエタリな知的財産権に関する情報を公開する予定はないという。ガット氏はまた、VIAは実現可能でないことまで約束したことはなく、基本的にはほかのグラフィックス/チップセット企業と同じようにオープンソースに対応していると指摘し、VIAのオープンソース化への取り組みを弁護した。

 「マーケティング目的にオープンソースを利用しているという発言は不当だと思います」とガット氏はいう。「一年あまり前、去年の4月にUnichromeディスプレイドライバ向けにカーネルソースコードのリリースを発表した際には、正確を期しました。その発表では、ビデオアクセラレーションドライバのソースもしくはほかのVIA知的財産のリリースには言及していません」

 「ドライバを公開しないのは、ほとんどの会社と同じです。VIAだけが特別ではありません」

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