ニュース
» 2005年08月09日 03時49分 公開

VIA、オープンソース・ドライバで失態(1/2 ページ)

VIAが自社ドライバを巡って示したオープンソースにあるまじき不作法は、同社の『オープンソース活動』がマーケティング用の体裁作りの1つでないかと思わせるに十分なものかもしれない。

[Jay-Lyman,japan.linux.com]

 おそらく、すべては単なる手違いから始まったのだろう。しかし、VIAが自社ドライバを巡って示したオープンソースにあるまじき態度は、それらオープン化されたドライバに携わるUnichromeプロジェクトの開発者たちの目には、オープンソース著作権にありがちな典型的侵犯事例以上に根深いものに映ったようだ。

 Linuxユーザーにはお馴染みのグラフィックス・コントローラ・ベンダーであるVIAがリリースした最新ソースコードには、奇妙なことに、プロプライエタリ情報の開示制限条項が含まれていた。VIAはかつてのクローズド・ライセンスに戻ったのだ。大方の人にそう思わせたこの事件は、しかし単なる手違いだったようだ。VIA Arena EditorでありWeb Media LiaisonでもあるFiona Gatt氏は、先月電子メールを介して次のように説明している。

 「先週リリースしたソース・パッケージは2005年3月に準備されたものです。つまり、当社がソースコード・パッケージのリリースに関する政策を変更する前のものでした。リリースに際してヘッダーを変更しなかったのはうっかり見落としたためで、他意はありません」

 しかし、VIAのオープン化ドライバを扱うオープンソース・コミュニティーの面々――Unichromeの開発者Ivor Hewitt氏やLuc Verhaegen氏ら――にとって、今回の不作法は戦略とサポートに大きな問題点があることを示唆するものであり、Linuxとオープンソース開発者に対する前回の疑わしき行動に続いて、またかと思わせる出来事だった。

単なる手違いか、悪意ある手違いか

 プロプライエタリ・ライセンスの再臨は単なる手違いだったのだろう。しかし、今回の事件はVIAがオープンソース活動に真剣に取り組んでいないことの現れだという見方もある。Hewitt氏は、電子メールで次のように述べている。

 「今回の事件の本当の意味は、ここには真のオープンソース開発がないということです。コミュニティーとの連携はあるでしょうか。素早く、頻繁にリリースという理念はどこに行ったのでしょうか。こうしたことを指摘しなければならないのは本当に残念なことです」

 VIAの報道発表についても、基本的にオープンソース・ドライバをダシにした偽物だと批判する。

 「たとえば、今回の『新しいオープンソース・パッケージをリリース』という発表も、最初の報道発表『フリーソース化』以前から存在するソースコードについてのものです。新しくはないし、ニュースでもありません。これは情報操作に他ならず、その『オープンソース活動』がマーケティング用の体裁作りの1つであるという事実を示しています」

 そして、為すべきことをしていないと言う。

 「VIAが自身の行動を顧みて誤ったところを認識し改めるのであれば素晴らしいことですが、これまでの行動を見る限り望むべくもありません。わたしはよくVIAをあからさまに批判しますし、VIAにとって最も好ましい人物でないことは確かです。しかし、実際に目にしていること(あるいは、実現されないことと言うべきでしょうか)に不満があるだけのことです。VIAにできることは山ほどあります。目の前に多くの機会があるのに、VIAはみすみす逃しているのです」

 また、オープンソース開発者とVIAを離反させる現下の問題、つまり著作権問題についても言及した。今回ソースコードにプロプライエタリ・ライセンスを付与したのは単なる手違いだろうが、Direct Rendering Manager(DRM)コードのライセンス・ヘッダーを削除しVIA版著作権に差し替えたのは意図的であり、この点をHewitt氏は問題視する。

 「VIAはこれまで使ってきたすべてのDRI/DRMコードから既存の著作権をすべて削除していますが、この点についてはいまだに答えていません」

Unichromeの災難

 VIAが引き起こした問題に加え、UnichromeプロジェクトとVIA製品のオープンソース・ドライバに携わるオープンソース開発者の間には地位を巡る軋轢がある。

 Ivor Hewitt氏は、Thomas HellstromとAndreas Robinsonと共にUnichromeプロジェクトを去ったと述べている。伝えられるところでは、フェロー開発者Luc Verhaegen氏の「居丈高な態度」を嫌ったからだという。

 「ですが、わたしとHellstrom氏は、今も、コードに活発に関わっています。ドライバをアップデートしたり、ユーザーがメーリングリストに寄せた質問に答えたり、コードをメインラインのXorgソースに組み込んだり。この純オープンソースのドライバは順調に進捗しています。Xorgの次期リリースについて言えば、UnichromeとUnichrome-Proボードがサポートされるでしょう。MPEGアクセラレーションの全機能も、Xine、MPlayer、MythTVで使えるようになります」(Hewitt)

 しかし、Verhaegen氏によれば、UnichromeプロジェクトでのHewitt氏の役割は終わりつつあるという。

 「裏でこそこそするのは不愉快ですね。わたしは真っ正面から物事に取り組むたちですから」。去ったと言われているにもかかわらずUnichromeプロジェクトの代表として振る舞いつづける参加者たちについて、Verhaegen氏はこのように述べた。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ