VIA、オープンソース・ドライバで失態(2/2 ページ)

» 2005年08月09日 03時49分 公開
[Jay-Lyman,japan.linux.com]
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「いつものやり方」で不良コードを掴んでしまうVIA

 Verhaegen氏は今回のプロプライエタリ・ライセンス事件について「VIAがよくやる失態でしょうね」と述べた。「この手違いは悪意ではありえません。単に、VIAには一貫した行動ができないというだけのことに思えます。おそらく、これらのドライバに専従している人はいないのでしょう。行き当たりばったりでバラバラなのです。本当に悲しいことですが」

 そして、自身の経験を例に出し、オープンソース開発者に対するVIAの不器用な関係を説明した。

 「この前、VIAはソースをリリースしたと大々的に報道発表しましたが、そのソースはそれ以前から多かれ少なかれ利用可能なものでした。本当の改善点は、わたしが思うには、VIAのMIT条項をOSIが規定するものに変えるのをわたしに許した点です。この条項は、原作の著作者や著作権保持者(これは共通の問題)だけでなく、すべての著作者と著作権保持者をも包含しています。(VIAの技術者)Joseph Chan氏は、ツリーの今後のバージョンではOSIが規定する条項になると言っています。VIAがすでに多くのファイルからMITを削除しているだけでも非常な驚きでしたけどね」

 オープンソースで開発されたコードをVIAが利用し著作権に関する文を削除していることについても具体的に述べた。

 「VIAがUnichrome.sf.netの動きを密かに覗いているのは明白です。明らかにわたしが書き換えたとわかる部分が、そのまま含まれていますから。変更した理由と大きさを考えれば、わざわざ著作権を主張しても得るものはありませんが。しかし、そうする権利はあります。甚だしいところなど、他の実装が可能な箇所がそのままコピーされているのですからね。実際、自分でも気に入らないので、実装をやり直そうと思っているくらいです。これまでにちょっとした問題が幾つかありましたし、もっとエレガントなソリューションがあるのです。つまり、明らかに、VIAはわたしたちのものを持っていくときにさえ不適切なものを掴んでしまうのですね」

 「著作権表示の削除については、何も新しいことはありません。以前から行われていることです。しかし、どう対処するかは個々の著作権保持者次第でしょう。これまでについて言えば、著作権を持つ人たちは問題に気づいていましたが、あえて行動するのが面倒だったのだろうと思います。私自身、今回のことで何か新しいことがあるとは思っていません。わたしには直接影響することはないでしょうし」

 ひょっとすると、NewsForgeから問題の条項についての質問を受けたことでVIAが何らかの対応をするかもしれないとVerhaegen氏は言う。そして、もっともオープンソース開発者の期待に沿ったものではないだろうが、と付け加えた。

 「最近のFBリリースでは、いきなり、すべてのMIT条項を変更しました。このリリースについてのVia Arena氏の発表は、VIAのライセンスに対する姿勢を端的に表しています。淡々と、これらのファイルではMIT条項がOSI標準のものに変わっていると述べていますが、Gattは、MITライセンスのごく一部だけをコピーし『……などなど :)』と結んでいます。この末尾のマークは、わたしには『でも、誰か気にする人がいるのかな?』と読めます。VIAはライセンスの重要さをまったく理解していません。ライセンスがMITと同様に自由なものであったとしてもです」

変化と機会

 VIAのGatt氏は、同社が「趣味人と独立系開発者」からの意見を聞き入れ、ドライバのソースコードの公開方法を変更してきたと述べている。

 「この決定は軽々しくなされたものではありません。これまでの当社の行動がオープンソース・コミュニティーを完全に満足させるものでないことは承知しております。しかしながら、コミュニティーからは批判もいただいていますが、それよりも多くの前向きな意見とお褒めをいただいております」

 著作権に関する質問には答えなかったが、VIAにはオープンソース活動の専任グループがあると述べている。

 「当社の手違いを許し、当社の活動を改善するために好意的かつ前向きな姿勢を示していただいたコミュニティーの人々に感謝します。当社には、オープンソース・コミュニティー専任チームがあります。Windowsのユーザーもオープンソースのユーザーも、当社にとっては等しく大切なお客様です」

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