日本HPがProCurveブランドの無線LAN製品発表、「有線と同等のインテリジェンスを持たせた」

日本HPは5月23日、エッジネットワーク機器「ProCurve」ブランドの無線管理モジュールと無線アクセスポイントを発表した。同社のLANスイッチと同様、機器の耐障害性とセキュリティを両立させた。

» 2006年05月23日 14時32分 公開
[堀見誠司,ITmedia]

 日本ヒューレット・パッカードは5月23日、エッジネットワーク機器「ProCurve」シリーズの無線LAN関連製品を発表した。今回発表されたのは、レイヤ3/4スイッチ「Switch 5300xlシリーズ」用の無線管理モジュール「ProCurve Wireless Edge Services xl Module」および無線LANアクセスポイント(AP)「ProCurve Wireless Access Point 530」。

Wireless Edge Services xl Module Wireless Edge Services xl Moduleでは不正APを検出することでき、管理者が特定のAPを除外するのに役立つ
Wireless Access Point 530 Wireless Access Point 530は単体でも利用可能

 無線LAN製品群の特徴は、「エッジ(末端)にインテリジェンスを持たせ、ネットワークのダウンサイジングを行う」というProCurveのコンセプトに基づき、スイッチやAPに耐障害性やセキュリティに関する機能を集約したこと。部門ネットワーク環境での有線/無線インフラの統合管理を目指した。

 xl Moduleは、APの機能をスイッチに搭載するためのAP「Radio Port」と連携し、AP間の通信やアクセス認証などを一元管理する。隣接するRadio Port間の電波干渉を調整したり、モジュール自体やスイッチのオプション電源による冗長構成を可能にした。セキュリティ面では、IEEE 802.11i、WPA/WPA2による暗号化通信をサポート、IEEE 802.1X認証やWeb認証にも対応する。

 また、無線LAN上の音声通信に対応するため、Wi-Fi WMMやSVP(Spectralink Voice Priority)プロトコルといった無線トラフィックの優先制御、および端末のAP間高速ローミング(50ミリ秒内)、IEEE 802.11eベースの負荷分散を可能にする各種技術を積極的に取り入れた。1つのモジュールで12基のRadio Portを収容するが、ソフトウェアライセンスを購入すれば最大36ポートまで拡張することができる。

 同時発表のWireless Access Point 530は、単体で利用可能なスタンドアロン型AP。内部にRADIUS認証機能を組み込むことで、例えばリモートオフィスなどで本社とのWAN接続に障害が発生した場合に、センター側での認証をAPによるローカル認証へフェールバックすることができる。IEEE 802.11aとIEEE 802.11gの同時利用あるいはIEEE 802.11b/gのデュアル利用ができ、データ系と音声系のネットワークを切り分けるといった運用が可能。

 同社はこれらのワイヤレス製品を、ProCurveで掲げる「セキュリティ、モビリティ、コンバージェンス」の3要素のうち、モビリティに対応する戦略的製品だとする。「管理性の高さ、ソフトウェアライセンスでポートを追加できる拡張性の高さ、ライフタイム保証がマーケットでの優位性になる」(プロカーブネットワーキングビジネス部・マーケティングマネージャの中島将博氏)。

 製品の販売開始日は、Wireless Edge Services xl ModuleおよびRadio Portが6月1日、Wireless Access Point 530が6月15日の予定。価格は税込で、xl Moduleが84万3150円、802.11b/g対応アンテナ内蔵型Radio Portが5万8800円、802.11a/b対応外部アンテナ接続型Radio Portが8万4000円など。Wireless Access Point 530の価格は12万8100円となる。

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