時代の先が読めなくて・・・・・・女性システム管理者の憂鬱(1/4 ページ)

「会社の動きをどれだけ先読みできるか」「数年先にも陳腐化しないシステムを選定するか」――システム管理者の技量が問われる。ファイルサーバ設計における某通信系企業の美人システム管理者の経験を紹介しよう。

» 2006年07月31日 11時00分 公開
[高橋美樹,ITmedia]

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 システム管理者がファイルサーバの選定をするときは、ハード容量とともに必ずストレージの冗長化を考慮するものだ。本体の設計ではRAIDを組んでディスクエラーに備えることを前提にして、部署全体で必要なデータ容量を確保する。そして、データのバックアップシステムも併せて設計する。しかし、導入から数年を経るころには管理する部署も様変わり。何とも環境にそぐわないシステム構成になってしまうことがよくある。会社の動きをどれだけ先読みできるか、数年先にも陳腐化しないシステムを選定するか、システム管理者の腕の見せ所だ。

念願のファイルサーバを増設

 21世紀を迎えたばかりのころ、わたしが管理する部署では新人の増員など、人員構成の変化に伴いファイルサーバを購入することになった。旧ファイルサーバは、なぜかNotesのDominoサーバまで共存し、常に容量超過のエラーを吐き出していた。そのたびにサーバへのアクセスができなくなり、ユーザーからクレームが寄せられていた。そんなところへ、年度末で予算が余っていたというラッキーが到来した。ファイルサーバの増設にゴーサインが出た。

 どんなサーバを購入しようか、とあれこれ考えてみる。サーバ室もない100人程度のユーザーを抱える事務所には、当たり前のようにタワー型サーバを選択した。スペックを見積もったところ、HDDが驚くほど手頃な価格にまで下がっている。これなら既存サーバの2倍の容量にまで手が届きそうだ。そうなると、できればバックアップシステムにもディスクがフルになった状態でも対応できるものが欲しくなる。さらに言えば、内蔵DATドライブが故障してから数年たつサブサーバのデータもネットワーク経由で保存したい。

 そんな数々の要件を満たすため、わたしは当時としては最先端のDLTをセレクトすることにした。ただ、故障が少ないという信頼性を重視して選択したサーバには、内蔵のDLTドライブを装着することはできなかった。「そこは妥協の範囲内」と外付けのDLTドライブをつなげることにした。ハードに関しては3年の保証期間があるのも安心のポイントだ。そんなさまざまな事情が交錯し、ようやく構築されたファイルサーバだったが、購入して1年余りたったある日、外付けDLTドライブが故障した。

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