コラム
» 2006年09月15日 14時01分 UPDATE

ブログマーケティングの実態――「お小遣い稼ぎ」は夢なのか? (1/2)

現在、多くのオンラインショップサイトで展開されているアフィリエイト。利用者の心理と提供側の模索はどのようになっているのだろうか?

[森川拓男,ITmedia]

 最近では年齢を問わずブログを利用する人が増えてきたが、その動機付けの一つとして書店を見回してみると分かるのが、アフィリエイトの存在だろう。個や情報をつなげるためのブログには、さまざまなマーケティングが相乗してきているのだ。

 アフィリエイトとは、Webサイトやブログ、メールマガジンといった媒体に企業サイトへのリンクを貼り、ユーザーがバナーを経由して商品購入を行うと、サイトやメルマガなどの企業から報酬が支払われるプログラム(サービス)のことだ。さらに、ドロップシッピングは、その延長上にあるものとして知られている(関連記事)

 最近では、ブログサービス自体がAmazonアソシエイトなどのアフィリエイトプログラムに対応するものケースも増えているため、アフィリエイト利用率が増加傾向だといえる。多くの場合、アフィリエイトプログラムへの誘い文句は「ブログで簡単にお小遣い稼ぎ」だ。しかし、言われているようにアフィリエイトで小遣い稼ぎはできるのだろうか?

 この記事では、主にユーザーサイドからの視点で統計結果を見ていくが、現在のブログマーケティングの実態や、どの程度の市場の広がりが期待できるかも予想することができるはずだ。

利用者の統計結果から見えるもの

 残念ながら大多数のブロガーは、実際の報酬を手にしていないという統計結果がある。中には相当な額を手にしている人もいるようだが、それは一握りにしか過ぎない。

 Eストアーが8月23日に実施した「ブログ閲覧者とアフィリエイト知識に関する調査」を見てみよう(関連リンク)。調査対象は、半年以内にネットショッピングで商品の購入をしたことがあり、1カ月以内に他人のブログを閲覧したことがある全国で15歳以上のインターネットユーザーを対象に412名で実施された。

 ここから何が見えてくるだろうか。

 「他人のブログをどれくらいの頻度で見るのか」という設問に対して、「ほぼ毎日見る」が54.3%と過半数を超えている。「2〜3日に1度以上見る」と合わせれば7割を超える。そして、読むカテゴリーについては、もっとも多いのが「個人の日記」の56.3%、次いで「趣味」の44.4%、「生活」の33%と続いている。いわば、ITに依存していない一般的なブログ閲覧者が多い統計だと判断できるだろう。

 アフィリエイトについての問いでは、興味深い結果が出ている。アフィリエイト広告がどういうものであるか知っている? に対して、87.9%が「知っている」と返答し、これは約9割近くである。そして、広告をクリックしたことがあるかの問いに対しては、「ある」が52.9%と過半数を超えている。さらにクリックしたことがあると答えたユーザー218名に対して、実際に商品の購入をしたことがあるかの問いは、「ある」が38.1%と4割を割り込んでしまう。全体からすると、約20%に過ぎないことが分かる。

 最後に、「アフィリエイト広告に抵抗があるか」と問いについては、「商品購入をする」が55.3%、「商品購入に抵抗がある」が44.7%と、ほぼ同じ程度である。男女別で見ると、男性よりも女性の方が多少抵抗を感じるようだ。この調査結果を見ると、意外とアフィリエイトの存在を知っていながらもクリックしたことがあり購入経験もあるもの、と思うかもしれない。

 しかし、注目すべき点はこの調査対象となっているのがネットショッピングの経験者であることだ。現在のところ、インターネット人口に比べネットショッピング経験がないユーザーの方が多いことを考えると、その割合はいっそう狭まってくるだろう。しかし、参入が増えるほど可能性が高まることが推測できる。運営サイドは現在の統計だけに止まらず、その広がりを見据えたマーケティングを考えていく必要があるのだ。

 2005年のデータになるが、特定非営利活動法人アフィリエイトマーケティング協会が行った「アフィリエイト・プログラムに関する意識調査 2005年」では、アフィリエイトプログラムに参加しているブロガーの実態を見ることができる(関連リンク)。2005年11月4日から23日にかけてマイポイントと呼ばれる会員制を利用して実施されたものだが、有効回答数は1万825人、その中でアフィリエイト利用者は542人となっている。

 ここでの調査で注目すべき点は、1カ月のアフィリエイト収入だ。この設問で最も多かった回答が「1000円未満」の43.3%、次いで「収入はない」の26.9%、「1000円以上5000円未満」の19.3%なのだ。ある程度収入がある人は、「5000円以上1万円未満」の4.6%、「1万円以上3万円未満」の4.2%、そして「3万円以上」の1.7%と、ごく一握りの人という結果が出ている。

 この調査結果は2006年9月現在で10カ月ほど前のものとなるが、現在もほぼ同様な結果が出ることは間違いない。つまり、ほとんどのユーザーはアフィリエイトプログラムによる恩恵を受けていないことになる。

 しかも、ほとんどのアフィリエイトプログラムでは、報酬が一定額以上に達しないと支払われないようになっている。例えば1万円という金額が設定されている場合は、この調査結果で言えば94.1%のユーザーにはその月の報酬が支払われない。つまり、ここまでを整理すれば、アフィリエイトを貼るだけで簡単に小遣い稼ぎなどという売り文句は、幻想に過ぎないということだ。

無関係な商品羅列が逆効果となっている

 個人がアフィリエイトプログラムに登録するのは簡単だ。ブログや従来までのWebページを持っていて、アフィリエイト事務局からの承認が得られればすぐに参加できるようになっている。もちろん運営サイドもマーケティング面でのマイナス効果は避けたいため、一定の基準は設けている。いちどサイトを閲覧し、効果が得られるかを判断した上で承認となるケースが多い。

 しかし、多くのブログを見てみると、いかにも「アフィリエイトやってます」という印象が強く、アフィリエイトリンクだらけのものも多い。これでは、訪れた人は見ることさえ拒むだろう。オンラインショップポータルならまだしも、個人ブログであればなおさらだ。

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