IBM、AJAXおよびWeb 2.0開発関連技術をオープンソース化

IBMは10月4日、カリフォルニア州サンタクララで開催されている「AJAXWorld」で、Eclipse FoundationのAJAX Technology Framework(ATF)とMozilla Foundationに、さらなる技術貢献を行うことを明らかにした。

» 2006年10月06日 17時27分 公開
[Darryl K. Taft,eWEEK]
eWEEK

 IBMがオープンソース開発コミュニティにひとまとまりの技術を提供し、企業におけるWeb 2.0技術の利用を促進していくと発表した。

 IBM関係者は10月4日、カリフォルニア州サンタクララで開催されている「AJAXWorld」で、Eclipse FoundationのAJAX Technology Framework(ATF)とMozilla Foundationに、さらなる技術貢献を行う予定だと話した。

 IBMは、今年1月にATFプロジェクトを立案している。

 同社はその後、同プロジェクトを主導して、ATFを実際に作り上げるためのコードをEclipseに提供した。

 これによりATFプロジェクトの開発者らは、2006年後半にリリースされる「IBM Rational Application Developer(RAD) 7.0」ツールキットを直接利用できるようになったと、IBMは述べている。

 RAD 7.0をATFと併用することで、開発者はより先進的なJavaScriptツール作製機能や、AJAXを用いたエンドツーエンドのエンタープライズ開発機能を活用することが可能になるという。

 IBMが提供しようとしている技術は、「WebSphere」「Tomcat」「Apache」「JBoss」「WebLogic」を含むあらゆるWebサーバ上で、AJAX技術を稼働、実装、デバッグおよび設定できるようにするものだ。

 IBMは、こうした技術提供によって、ATFには新たな機能が追加されることになるとも話している。例えば、Webを経由して情報を送受信する際に、ブラウザを手動で更新する手間が省かれるという。

 一方Mozillaに対しては、AJAX開発により適した「Firefox」ブラウザや、ユーザーが簡単に使用できるインタフェースを作製するための技術を提供した。

 IBMのインターネット新技術部門で最高技術責任者(CTO)を務めるデビッド・ボロカー氏は、AJAXWorldカンファレンスで基調講演を行い、オープンソース開発コミュニティがWeb 2.0ツールを自由に駆使し始めたことで、組織はユーザーおよび関係者と協同する新たな道を創造するようになり、そうした傾向が「一大ムーブメント」となっていると語った。

 「IBMは、Web 2.0を成り立たせている一連のオープン技術こそが、当社の顧客企業におけるイノベーションを加速し、競争力を強化する重要な原動力だと考えている」(ボロカー氏)

 「今日では、異なるグループ同士のコミュニケーションを円滑化したり、開発効率およびプログラムなどの使い勝手を向上させたりするのに、多数のWeb 2.0ツールが必要不可欠な要素となっている」(ボロカー氏)

 「先進技術の採用に積極的な企業は、サービス指向アーキテクチャ(SOA)に基づくITインフラストラクチャに加えて、Web 2.0機能の実装を可能にするオープンスタンダードを活用し、個々の企業ばかりでなく業界全体の成長にも一役買うようになっている」(ボロカー氏)

 これと同時にIBMは、同社の開発コミュニティ向けWebサイト「developerWorks」に、新たなWeb開発領域を設けたことを発表した。

 新たなWeb開発領域では、AJAX、PHP、ATOM、RSS、Ruby開発や、Spring、Shale、Struts、Ruby on Rails、TapestryといったWeb開発フレームワークで利用する技術リソースが提供される。

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