埼玉県皆野町、災害発生を想定したデータ復旧訓練を実施

埼玉県皆野町とTKCは、ネットワークを介した行政情報のバックアップ復旧訓練を実施することを明らかにした。ネットワーク経由で遠隔地へデータを送り、自動的にバックアップしている自治体は、皆野町のほか全国で7団体のみ。

» 2006年10月24日 17時38分 公開
[ITmedia]

 埼玉県皆野町とTKCは10月26日、ネットワークを介した行政情報のバックアップ復旧訓練を実施することを明らかにした。BCP(事業継続計画)の観点から復旧訓練を実施するもので、昨年に引き続き2回目となる。

 地方公共団体が保有する住民情報などは、災害時における被災者の特定・把握、ライフラインの復旧、地域の復興支援に欠かせない基本的なデータとなる。

 実際、新潟県中越地震でも、発生翌日には関東財務局および日本銀行が「預金証書、通帳を紛失した場合でも預金者であることを確認して払い戻しに応ずる」とした金融上の措置を公表したことで、住民票を求める住民が市町村の窓口に列を成している。また、災害時には、被災者が医療機関にかかるための「健康保険証」、自動車などの損害保険請求手続に必要な「納税証明書」などの発行も必要となる。

 昨今、広域災害の発生に備え行政が保有する住民情報のバックアップデータを遠隔地で分散保管する地方公共団体は増えつつあるが、ほとんどの場合、磁気テープなどを物理的に保管しているもので、総合行政ネットワーク(LGWAN)など通信経路を暗号化したネットワーク経由で遠隔地へデータを送り、自動的にバックアップしている例は、皆野町のほか全国で7団体のみ。

 埼玉県皆野町は、広域災害の発生時でも行政サービスを継続できるよう、住民情報など重要な行政情報をTKCが提供する「TKC行政ASP/市町村サーバの第2次バックアップサービス」を用いて栃木県内の民間データセンター(TKCインターネット・サービセンター)で30分ごとにバックアップしている。

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