ニュース
» 2006年10月26日 07時00分 公開

企業向け機能が強化され、着実な進歩を見せたMSのコミュニケーション製品群 (1/3)

2003年のリリースから3年、Live Communications Server(LCS)は既存のPBXシステムとの統合など、リアルタイムの音声とビデオ通信のより優れた環境を提供してきた。次のバージョンではさらなる機能強化を施して、企業での利用にも対応できるよう着実に進化を遂げている。

[Rob Horwitz,Directions on Microsoft]
Directions on Microsoft 日本語版

 2003年の初期リリース以来、Live Communications Server(LCS)はMicrosoftのリアルタイムコミュニケーションテクノロジー開発の要としての役目を果たしてきた。LCSおよびLCSと連携するCommunicatorクライアントは、IMおよび音声またはビデオ通話をサポートする製品である。このような通信は、小人数の仲間うちで行われる傾向にあり(つまり、好きなときに話しかけ、ほかのメンバーのビデオを見ることができる)、事前に通信がスケジュールされることはあまりない。

 LCSはユーザーのプレゼンス情報を集約する役目を果たす。このプレゼンス情報では、ユーザーが現在使用しているデバイスの種類や、“オンライン”、“会議中”、“取り込み中”といった現在の状態が示される。LCSはプレゼンス情報を使用して、少人数のユーザー間でのIMおよびファイル転送と、2ユーザー間での音声およびビデオ通話をサポートする。また、LCSはSIP(Session Initiation Protocol)を使用して通信セッションを開始し、SIMPLE(SIP for Instant Messaging and Presence Leveraging Extensions)を使用してIMおよびプレゼンス情報をサポートする。

 この3年間で、LCSはリアルタイムコミュニケーションを確立できる対象ユーザーの範囲を着実に拡大してきた。まず、社内LANに直接接続している社員間での通信を実現し、その後リモートの社員、関連企業の社員、インターネットを介して接続している社外メンバーに対応できるようになった。また通話モードも、プレゼンス情報とIMにすべてのメンバーが容易にアクセスできるようにするところから始まり、既存のテレフォニー(PBX)システムとの統合も含め、リアルタイムの音声およびビデオ通信をサポートするように拡張されてきている。さらに、帯域幅の利用効率の改善や負荷分散、フェールオーバー機能をはじめとする機能強化を施し、拡張性、可用性、管理性を高めることで、企業での利用にも対応できるよう着実にLCSは進化を遂げている。

Communications Server 2007の新機能

 LCSの後継バージョンであるCommunications Server 2007では、次のような機能強化が施されている。

  • 複数カ所からの接続が可能なビデオおよび音声通話

 LCS 2005では、Communicatorクライアント間のVoIPベースの音声およびビデオ通話は1対1の通話のみで、サードパーティのソフトウェアおよびハードウェアを追加しない限り、3カ所以上を同時に接続した通話は行うことができなかった。Communications Server 2007では、10カ所以上のエンドポイントから1つの音声およびビデオ通話に参加できる。また、全参加者の音声を並行して伝える新しい音声技術を採用しており、複数の参加者が同時に発話していても、ある参加者の音声が途切れるということはない。各参加者のCommunicator 2007クライアントでは、発話中の参加者のWebカムビデオストリームがメインのビデオウィンドウに表示される。また、ピクチャーインピクチャーの小型ウィンドウには各参加者自身のビデオストリームが表示されて、ほかの参加者に配信される自分の画像を確認できるようになっている。参加エンドポイントに複数のユーザーがいる場合は、WebカムにMicrosoftが提供を予定している360度をカバーする会議用カメラ「RoundTable」を使用すれば、自動的に発話中のユーザーの画像がブロードキャストされる。

  • VPN不要のファイアウォール越しVoIP通話

 LCS 2005では、会社のファイアウォール外部のユーザーがCommunicatorを使用して社内システム上のユーザーとVoIPベースの音声またはビデオ通話を行う場合は、VPN接続を確立する必要がある。Communications Server 2007では、LCS 2005の既存のエッジプロキシが拡張され、会社のファイアウォール外部のユーザーもカバーされるため、VPN接続を確立する必要がなくなる予定だ。

  • オンプレミス(自社内導入型)Web会議

 LCS 2005では、複数のユーザーが参加する会議で、IM以外の機能(音声付きでスライドを表示するなど)を合わせて使用する会議を開催する場合、MicrosoftのサブスクリプションベースのLive Meetingサービスまたは何らかのサードパーティ製品が必要である。Communications Server 2007には、Live Meeting 2007サービスの自社内導入型バージョンが組み込まれており、これはMicrosoftのLive Meetingホスティングサービスと同じクライアントソフトウェアを使用する(Live Meetingの詳細については、後述する「Live Meeting 2007」の項目を参照)。Communications Server 2007に搭載されているLive Meeting機能は、数百名の参加者を処理できる。社外のユーザーの参加も可能だが、社外ユーザーは会議をスケジュールすることはできず、参加に当たっては専用のコネクタライセンスの購入が必要になる。ただし、膨大な数のユーザーが参加する会議や、会議の開催者がWeb登録ツールやWebスケジュールツールなどLive Meetingサービスに固有の一部の機能を使用する必要がある会議では、システムの導入先のネットワーク内からしかLive Meetingホスティングサービスにアクセスできない。

  • PBXまたはPSTN着信通話のCommunicatorへのルーティング

 LCS 2005では、Communicatorクライアントアプリケーションを使用して、PBX内線番号や従来の公衆交換電話網(PSTN)ユーザーに電話をかけることができるが、着信通話の操作には制限があった。CommunicatorではPBXまたはPSTN通話の着信を知らせるポップアップウィンドウを表示したり、PBXの通話制御機能にアクセスしたり(リモートで作業している場合に、Communicatorを使用してPBX内線番号宛てにかかってきた通話を携帯電話に転送するなど)できるが、Communicatorを使って通話に応答することはできず、応答には従来の電話を使用する必要があった。Communications Server 2007では、この制限がなくなる。

  • VoIP通話の通話制御機能

 LCS 2005ではCommunicatorユーザー間のVoIP通話の受発信が可能である。ただし、PBXのような基本的な通話制御機能は、このような通話に対して提供されていない。Communications Server 2007では、この機能が追加される。例えば、Communications Server 2007では、Communicatorを使用して着信VoIP通話を携帯電話に転送したり、既存のVoIP通話にほかのユーザーを参加させることができるようになる予定である。

Communications Serverのリリース予定

 Communications Server(正式名:Microsoft Office Communications Server 2007)のβ版は2006年末に、正式版は2007年の第2四半期にリリースが予定されている。

 Communications Server 2007は32ビット版のみの提供となる予定だ。これは、特にExchange 2007が64ビット版しか提供されないことを考えると、不可解な制限と言える。

       1|2|3 次のページへ

Copyright(C) 2007, Redmond Communications Inc. and Mediaselect Inc. All right reserved. No part of this magazine may be reproduced, stored in a retrieval system, or transmitted in any form or by any means without prior written permission. ISSN 1077-4394. Redmond Communications Inc. is an independent publisher and is in no way affiliated with or endorsed by Microsoft Corporation. Directions on Microsoft reviews and analyzes industry news based on information obtained from sources generally available to the public and from industry contacts. While we consider these sources to be reliable, we cannot guarantee their accuracy. Readers assume full responsibility for any use made of the information contained herein. Throughout this magazine, trademark names are used. Rather than place a trademark symbol at every occurrence, we hereby state that we are using the names only in an editorial fashion with no intention of infringement of the trademark.

ピックアップコンテンツ

- PR -

注目のテーマ

マーケット解説

- PR -