レビュー:Firefox 2.0に施された堅実な改善点Firefox Hacks(1/4 ページ)

先週公開されたInternet Explorer 7に対抗する形で、Mozillaチームも新たにFirefox 2.0をリリースした。1.5系列からの大幅な変更点はないものの、アップグレードするだけの十分な価値があると見ていいだろう。ここでは改善点などを見ていこう。

» 2006年10月28日 08時00分 公開
[Joe-'Zonker'-Brockmeier,Open Tech Press]
SourceForge.JP Magazine

 先週公開されたInternet Explorer 7に対抗する形で、Mozillaチームも新たにFirefox 2.0をリリースした。今回のリリースにおける変更カ所や新機能はさほど多くなく、最も目立つのは既存機能の改良である。とはいえ、確かに1.5系列からの大幅な変更点はないものの、Firefox 2.0にはアップグレードするだけの十分な価値があると見ていいだろう。

 今回追加された“新機能”の中には既に機能拡張の形で実現されていたものも多いが、機能拡張を介してしか取り込めない機能と、始めからブラウザにビルトインされている機能では、雲泥の違いがある。確かに上級ユーザーであれば必要に応じて適当な機能拡張を自分で探し出す(あるいは自作する)だろうが、Mozillaとしてはより広範なユーザーをカバーしたいという意向があり、得てしてそうしたユーザーは「機能拡張を介して、フィッシング対策機能やスペルチェックあるいはさまざまなタブ操作機能をブラウザに追加する」という発想とは疎遠なものである。

 今回の新規リリースでは若干の外見的な変更が施されているものの、それは目立つものではなく、むしろ特定しにくいくらいである。仮に黙ってFirefox 1.5をFirefox 2.0にアップデートしたとしても、ごく平均的なユーザーであれば、新規アイコンセットの存在やテーマが変更されたことに大部分は気づかないのではないだろうか。

 これはわたしがそうだったから言うのだが、ユーザーが一番最初に気付く変更点の1つは、スペルチェック機能が追加されたことだろう。新たなFirefoxでは、GmailなどのWebメールクライアント上で文面を入力する場合、あるいはblogの掲載記事やフォーラムへのコメントを入力する場合、スペルミスした単語ないし辞書の未登録単語については、お馴染みの赤い下線が表示される。これらの単語を右クリックすると、正しい単語の候補がコンテクストメニュー形式で表示されるが(候補が存在する場合)、この状態で辞書への単語登録を行うことも可能だ。このスペルチェックの素晴らしい点は、テキストフィールド中のものであってもメールアドレスやURLは無視してくれることであり、また検索用のフィールドなど、通常はスペルチェックを必要としない入力フィールドについても反応しないようデフォルトで設定されている。

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