MSとNovellが「歴史的」提携――WindowsとLinuxの相互運用を実現へ

MicrosoftはSunに続き、20年来のライバル取り込みに成功した。WindowsとLinuxの相互運用を可能にするソリューションを共同で開発するほか、特許、事業面での協業も行うという。

» 2006年11月03日 09時26分 公開
[ITmedia]

 米Microsoftと米Novellは11月2日、両社間での提携を発表した。この提携は、技術、特許、事業と広い範囲に及び、オープンソース製品を提供するNovellと、プロプライエタリな製品を提供するMicrosoftとを結ぶ。「カスタマー重視」で実現したというこの提携は、少なくとも2012年まで継続する。提携の金額的な詳細は公表されていない。

 この提携により技術面では、両社は共同で研究施設を設立し、WindowsとLinuxの相互運用を可能にするソリューションの開発やテストを行う。仮想化、その管理のためのWebサービス、文書フォーマットの互換性の3点に重点を置くという。また、共同研究施設では、顧客やオープンソースコミュニティーとの共同作業も行う。

 特許面では、両社は相手企業製品のユーザーに対しては、特許侵害を申し立てないことを明言。両社製品のユーザーが、安心して製品を使用できるようにした。両社間では、ロイヤルティなどの支払い条件についても合意している。

 事業面では、両社は共同開発したソリューションのマーケティングや営業も共同で行い、サポートも提供する。提携により、Microsoftは今後、WindowsとLinuxの両方を必要とする顧客に対してはSUSE Linux Enterpriseを推奨するほか、SUSE Linux Enterprise Serverへのアップデートとサポートのクーポンを配布するなど、顧客がWindowsとLinuxの両方から利益を得られるようにするという。

 Microsoftのスティーブ・バルマーCEOはこの「あり得ないと言われてきた」提携を「新しいモデルであり、両社関係の真の進化」とコメント。顧客にも多くの価値を提供するもの、としている。

 NovellはネットワークOSのNetWareで市場リーダーにのし上がったが、その後はMSの猛追にあい、10月9日に亡くなった創業者レイ・ノーダ氏の指揮の下、MSへの挑戦を続けた。1992年にはMSがNovellを買収する提案もあったという。

 NovellはDigital Researchの買収によりMS-DOS互換のDR DOSを入手、WordPerfect、Quattro Proという、それぞれMicrosoft Word、Excelのライバル製品を獲得し、さらにはUNIXのライセンスを得ることでMSに対抗しようとした。

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