Fedora Core 6:Zod様の御登場!Super Review(2/3 ページ)

» 2006年11月13日 14時07分 公開
[Joe-'Zonker'-Brockmeier,Open Tech Press]
SourceForge.JP Magazine

Fedoraの使用感

 Anacondaはかなり不安定で設定変更があまりお勧めできないから説明しておくのだが、インストール時にパッケージをカスタマイズしない場合、デスクトップ環境としてはGNOMEだけがインストールされる。最もPirutパッケージマネジャーを使えば、数クリックするだけでXfceないしはKDEを設定することも可能だ。

 ZodではGUI形式のパッケージ管理機能が向上しているが、コマンドライン用のyumパッケージマネジャーにも改善が施され、C言語で記述された新しいメタデータパーサ機能が追加された。新しいyumではパッケージ情報を高速処理できるようだが、過去のリリースのものと比べても若干の高速化が施されている感じがする。またFC6には、パッケージのアップデート情報をデスクトップトレイのアイコン表示を介して通知する機能が追加されているが、これはわたしのように毎朝のアップデートチェックを忘れがちな人間にとって非常に重宝する機能だ。

 FC6のデスクトップ用パッケージには、Firefox、Gaim、Evolution、OpenOffice.orgなど、GNOMEのデスクトップでお馴染みのアプリケーションが一通りそろっている。一般に開発陣がこうしたアプリケーションを選ぶ場合、最新バージョンないしはできる限り最新のものを選択する傾向があるようで、Gaim 2.0などは過去の安定バージョンではなくbeta4が同梱されている。最もFirefoxに関しては1.5系列のままになっているので、最新版を使いたければMozillaのサイトにアクセスして自分で正式リリースを取得しなければならない。

 Compizについては、デフォルトではインストールされるだけで、使用可能な状態にまでは設定されない。とは言うものの、ビデオカードが対応さえしていれば、ごく簡単な手順でCompizをアクティブにできる。GNOMEデスクトップのメニューでSystem -> Preferencesを選択すると、Desktop Effectsという項目が見つかるはずだ。後はEnable Desktop Effectsをクリックすればいい。ビデオカードが対応していない場合は、エラーが表示される。

 Compizの動作状況だが、ATI Radeonカードを搭載したラップトップでは正常に使えたが、Nvidiaカードを搭載したワークステーションでは起動することもできなかった。正常な動作が確認されているビデオカード(および動作しないカード)の情報はFedoraサイトに一覧されている。

 読者の中で、静止画やビデオでCompizの動作する様子を見たことはあるが、実際に手元のデスクトップで使ったことがない人は、Compizのことをハッタリだけの無用の長物と見なしているかもしれないが、その認識は半分は正しく半分は間違っている。確かにハッタリ的要素も含んでいるが、完全な役立たずでもないからだ。例えばウインドウのサムネイル表示はMac OS XのExposeと同様の機能だが、これ1つを取ってもCompizは十分に使用する価値はあるだろう。実際ウインドウがあまりに簡単に整理できるので、Compizのない環境にはもう戻りたくない気分にさせてくれる。

 “回転するキューブ”や“うねるウインドウ”に比べると地味な機能だが、FC6では印刷関連の処理も改善されている。印刷設定ツールの起動速度は FC5版よりも高速化されているが、これは始動時にデバイスを検出する必要性がなくなったためであり、プリンタ定義ファイルのスキャンも、ツールの実行ごとではなく必要に応じて行われるようになった。

 この印刷ツールが特に優れているのは、プリンタのスキャン能力だ。Brother 1270Nネットワークレーザープリンタを接続している手元の環境で試したところ、正しいドライバを選択させるにはプリンタモデルを指定する必要があるものの、それ以外は特に問題なく印刷ツールがプリンタを自動検出してくれた。このツールについては、細かな問題点が改善され操作性が向上した点を高く評価すべきだろう。

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