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無線LAN“再構築”プラン:

ワイヤレスSEが明かす「導入の舞台裏」 (1/2)

無線LANの構築は、カードを差し、APを設置さえすればそれで済んでしまうわけではない。導入は地道な作業の積み重ねだが、そこには日の目を浴びない、いろいろな苦労があるのだ。現場のエンジニアに話を聞いた。
2006年11月20日 08時00分 更新

本記事の関連コンテンツは、オンライン・ムック「無線LAN“再構築”プラン」でご覧になれます。



 「無線は地道な作業で動くもの」。ユニアデックスのワイヤレスSE、豊田直子氏は、無線LANの導入についてこう表現する。

 無線LANサービスに関する新規メニューの立案・構築に加え、無線LAN導入時の見積もりから運用にかかわるプロセスまでを担当している、いわゆる現場で活躍するエンジニアである。主な仕事は、無線LANの机上設計、外来波などの電波状況の調査といった、アクセスポイント(AP)の位置や台数を決定するためのサイトサーベイだ。

画像 ユニアデックス戦略事業グループ ワイヤレスIPC事業部 WIPCサービス企画部 主任の豊田直子氏

調査段階から運用を考えないと……

 無線LANの構築は、まずデータか音声あるいは両方を共存させて利用するのか、使用人数はどのくらいか、また端末はノートPCかPDAなのかなど、さまざまな要件をユーザーにヒアリングしてから、机上でシミュレートして設計をすることから始める。

 無線LANの設計が難しいケースとは、電波の関係により導入しにくい環境だという。例えば、既存環境に起因する問題がある。病院や工場などでは、無線LANに影響を及ぼすような電波を発する機器があらかじめ設置されていることがある。スペクトラムアナライザでノイズが出ていることが判明しても、これらの原因となる発生源を特定することは難しい。再現性のない現象も多いからだ。

 それでも、「実際に機器を止めて確認する必要があるが、現場で使用している機器をすぐに停止できないため、原因特定に至るまでに時間が掛かることもある」(豊田氏)。そのような環境では2.4GHz帯のIEEE 802.1b/gよりも、ノイズの干渉を受けにくい5.2GHz帯のIEEE 802.1aを勧めることが多いという。

 一方、無線APを配置する際、オフィスの景観上の問題から、天井や床下などに置きたいというユーザーの要望がよく寄せられる。

 「ワイヤレス設計は設備関係者との調整がとても大事。環境によっては、電波の飛び方が悪い場所にAPを設置しなければならないことがある。天井などでは高所作業になって設置できなかったり、配線が難しい場合も出てくる」(豊田氏)

 そんなときは、設備関係者と調整したり、設計を一からやり直さなければならないこともあるそうだ。ほんの数メートルでもAPの位置がずれてしまうと、セルの形が変わり、電波の弱い場所ができることがあるためだ。

 また、オフィス事情から発生する特有の問題もある。特に日本では、狭い空間にたくさんのユーザーが働いているケースも多い。このような設計では、「カバーエリアを基にAPを置くのではなく、ユーザー数をカバーするために、必要な台数だけAPを設置しなければならない」。

 とはいえ、狭いエリアにAPをたくさん設置すると、そのぶん設計も難しくなる。さらに無線LANの用途がデータだけでなく、音声まで含まれると、事情はより複雑になる。その難しさについて、豊田氏は「特に音声を利用する場合、設計がシビアなので一番苦労する。ユーザー数に余裕がある場合はいいのだが、ユーザー密度が高くて狭い空間では、音質や同時通話数などに支障が出てくることもある」と話す。

 また、フロアのレイアウトにもよるが、無線端末が入り口付近に置かれたAPからの電波を引っ張って、なかなかハンドオーバーしないこともある。喫煙所など人がよく集まる場所でも、そこにあるAPを「つかんだまま」になって、喫煙所付近の席で使う電話の音質が落ちてしまうこともあるそうだ。このようなケースでは、端末側で最良のAPにハンドオーバーできるよう手動で設定するのだが、それはエンドユーザー側の負担になる。そこで、あらかじめ調査の段階で、運用時の人の出入りや移動ルートを考慮して設計をすることがポイントになるのだという。

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