「4年で性能100倍」――DARPA、IBMとCrayのスーパーコンピュータ開発支援

DARPAは合計5億ドル近くのスーパーコンピュータ開発費をIBMとCrayに供与する。IBMはこの契約により「48カ月で100倍」の性能アップを目指す。

» 2006年11月24日 07時30分 公開
[ITmedia]

 米国国防総省高等研究計画局(DARPA)は11月21日、High Productivity Computing Systems(HPCS)プログラムのフェーズIII(4年間)の受注先として、IBMとCrayを選択したと発表した。両社には開発資金が提供され、IBMは2億4400万ドル、Crayは2億5000万ドルを受け取る。

 HPCSのフェーズIは2002年にスタート。国家安全保障と産業業界のための、経済的で生産性の高い次世代コンピューティングシステムの開発を目指すプログラムである。フェーズIIIでは、2社は大型(ペタスケール)スーパーコンピュータの設計と技術開発の完成が求められる。2ぺタFLOPSの安定した性能を持ち、4ペタFLOPSへ拡張可能なシステム開発が目標であり、またアプリケーション開発時間の生産性を2002年時点の10倍にすることも視野に入れている。

 IBMはDARPAとの契約を受注したことで、従来の「18カ月で処理性能2倍」をはるかに上回る「48カ月で100倍」を目指すと宣言。POWERプロセッサ(POWER7)を搭載したシステムの開発を行う計画だ。一方Crayは、コード名「Cascade」と呼ばれる、HPCSプログラムに基づくシステムを開発中。

 両社は2010年12月までにプロトタイプを完成させ、性能の実演を行うことが予定されている。

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