MSのOpen XMLフォーマット、Ecmaが標準認定

一部反対はあったものの、米Microsoftの「Office Open XML」フォーマットがEcmaの標準として承認された。次はISO標準を目指す。

» 2006年12月08日 11時54分 公開
[Peter Galli,eWEEK]
eWEEK

 米Microsoftの「Office Open XML」がEcma標準として承認された。同規格は今度は、ISO国際標準として認定してもらうための審査に提出される。

 Ecma Internationalは12月6日、総会後にこの新たな標準の承認を発表した。

 同団体はまた2007年1月に、Office Open XMLをISO標準として採用してもらうための早期プロセスを開始する。

 Open XML標準化の取り組みは、Ecma Internationalの技術委員会により行われた。この委員会は、Apple、Barclays Capital、BP、大英図書館、Essilor、Intel、Microsoft、NextPage、Novell、Statoil、東芝、米国議会図書館などの代表者により構成される。

 「業界および公的機関からの広範な支持者が、文書の処理やアーカイブ、相互運用性の幅広い可能性を生み出すオープン標準の策定を確実にする」とEcma Internationalの事務局長ジャン・フォン・デン・ベルド氏は声明文で述べている。

 「Open XML標準は、既存の数十億の文書との後方互換性を保つと同時に、文書技術の今後の新たな用途を可能にすることのメリットを認識している」(同氏)

 だが、早くもOpen XML標準の批判が、特に競合するOpenDocument Format(ODF)の支持者から出てきている。ODFは既にISO標準として認定されている。

 IBMのオープンソース・標準担当副社長ボブ・スーター氏はブログの投稿の中で、IBMは「本日、EmcaでのMicrosoftのOpen XML仕様の承認においてノーと投票した。われわれは過去数カ月で、ODF ISO標準の方がOpen XMLよりもずっと優れている理由を明確にしたと思う」と述べている。

 「ODFは今日、世界が競争、革新、顧客のコスト削減を促進するために必要としているものだ。今回の件は、真のオープン標準とXML経由でプロプライエタリ製品を文書化するベンダー主導仕様の対決の例だ。ODFは未来に関するものであり、Open XMLは過去に関するものだ。われわれは未来に投票した」(同氏)

 だがEcmaはその見方に賛成しておらず、文書処理の相互運用性と、オープンフォーマットを使ったデジタルアーカイブ作成に関心を持つ組織が世界中で増えていると声明文で述べている。

 「Office Open XML(Open XML)フォーマットは、今日そして将来において複数のアプリケーションとプラットフォームで自由に実装できるワープロ文書、プレゼンテーション、スプレッドシートの国際的なオープン標準だ」(Ecmaの声明文より)

 2006年に入って、MicrosoftはOpen XMLとODFを変換できる一連のツールを開発するオープンソースプロジェクトも設けた。これはパートナーとともに開発される。

 Corel、Microsoft、Novellを含むベンダーは既に、Open XMLをWordPerfect、Microsoft Office 2007、OpenOfficeなどの自社アプリケーションに実装すると発表している。

 「1年あまりの取り組みの後、Open XML標準に取り組む際に予測可能な結果と高い相互運用性を確保するのに必要な詳細情報を開発者に提供するために、技術委員会はOpen XMLフォーマットの相互運用性を実現し、同フォーマットに関する6000ページを超える文書を作成した」(Ecma)

 「技術委員会が作成した詳細な技術リソースのおかげで、Open XML標準は既存の数十億の文書で使われている機能を完全にカバーしている。この標準は、世界の主要な言語すべてをサポートする組織の国際的な言語ニーズにも対応し、適切に文書を処理するのに役立つテクノロジー製品の情報も含む」と同団体は説明している。

 開発者はOffice Open XMLフォーマットの一部あるいはすべての機能を使うことができ、同フォーマットはOpen XML文書内でカスタムスキームを利用可能にすることで、組織がプロダクティビティアプリケーションを、業務プロセスを管理する情報システムと統合できるようにするという。

 Ecmaは、同団体の技術委員会は引き続き同標準のメンテナンスと、新機能により同規格を強化すると同時に後方互換性を維持することに責任を持つとしている。

Editorial items that were originally published in the U.S. Edition of “eWEEK” are the copyrighted property of Ziff Davis Enterprise Inc. Copyright (c) 2011. All Rights Reserved.

注目のテーマ