ユーザー/ベンダーともに「内部統制」対策がスタート「行く年来る年2006」ITmediaエンタープライズ版(2/2 ページ)

» 2006年12月25日 11時00分 公開
[石森将文,ITmedia]
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文書管理を軸に参入するマイクロソフト

 おそらく、企業でも最も多く使われているクライアントOSはWindowsであり、クライアントアプリケーションはMicrosoft Officeであろう。

 それゆえマイクロソフトでは、同社アプリケーションで作成され、同社OS上で利用される電子文書の管理と共有を重視し、エンタープライズ・コンテンツ・マネジメント(ECM)を重要な軸として内部統制市場へのアプローチを図るようだ。

 同社製品で、文書管理を担うものといえば、SharePoint Portal Serverである。とはいえ現行バージョンであるSharePoint Portal Server 2003は、あくまでもコラボレーションプラットフォームという位置付けであり、統合的なファイル管理体制に踏み込んだものではなかった。

 しかし最新版となるSharePoint Portal Server 2007(マイクロソフトは正式リリースを2006年後半としている)では、「業務アプリケーションとの連携」や「情報の可視化」といった機能が搭載され、ドキュメント管理、レコード管理、Webコンテンツ管理、フォーム管理といった各領域で、ドキュメントライフサイクルに沿った運用ができるものとなっている。

再来年の日本版SOX法施行に向けて

 NRI システムコンサルティング事業本部 上席コンサルタントの浦松博介氏は、内部統制対策を主に担うことになる情報システムについて、「つくり1年、まわし10年の考え方が必要」と表現する。

 これまで挙げた2社にとどまらず、2005年は「内部統制」「日本版SOX法」をキーワードとした製品、ソリューション、サービスが数多く登場した。

 ITの面から内部統制を実現するため、ベンダーと組み、まずはシステムを構築することに注力する――確かに重要なことではあるが、“まわし(運用)”でどれだけビジネスプロセスの「見える化」を実現できるかが、内部統制時代の情報システムを評価するポイントとなる。

 内部統制ブームに踊らされ、無駄な投資、無駄な工数をかけないよう注意する必要は十分にある。しかし、2008年4月から施行予定の日本版SOX法をにらみ、来る年も引き続き、「内部統制」が熱く注目される年となるだろう。

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