コラム
» 2007年01月23日 15時55分 UPDATE

OSDL+FSG=The Linux Foundation+α?

OSDLとFSGの2団体が合併し、新団体「Linux Foundation」を設立することになった。突如発表されたこの動きについて、その意味と今後予想される流れを風穴 江が読み解く。

[風穴 江,ITmedia]

 Open Source Development Labs(OSDL)とFree Standards Group(FSG)は、1月22日、両団体の活動を統合し、新たに「The Linux Foundation」(LF)を設立すると発表した。ただし、手続きなどの関係から正式にLFが発足するのは来月2日ごろになるという。

 LFの活動は「promotes, protects and standardizes Linux」という言い回しに集約されている。すなわち、Linuxの普及、啓もうを推進するスポークスパーソン(spokesperson)の役割を果たすこと、主に知的財産権にかかわる種々の「攻撃」からコミュニティーの活動を保護すること、そして、自由な開発活動を下支えするための標準仕様を作成すること、などである。OSDLが進めてきた「Carrier Grade Linux」、「Data Center Linux」、「Portland Project」や、FSGの「Linux Standard Base」、「Filesystem Hierarchy Standard」、「OpenI18n」、「OpenPrinting」などは、それぞれすべてLFの下でもそのまま活動が行われる。また、OSDLが行っていた、リーナス・トーバルズ氏がLinuxカーネル開発にフルタイムで取り組みめるようにするための経済的支援も、LFによって継続されることになっている。そういう意味では、LFは、単に組織としてOSDLとFSGを足し合わせたものと考えて構わないだろう。

 OSDLにもFSGにもなかった新たな役割としては、「Linux」という商標の管理が加わった。Linuxという商標は、リーナス・トーバルズ氏が個人として保有し、彼から委託を受ける形で設立されたLinux Mark Institute(LMI)という組織が管理を行っていた(なお、LMIはOSDLから支援を受けていたという流れはある)。今回それがLFに移管されることで、Linuxという商標の管理が、多くの人にとって「分かりやすい」形になることが期待される。

 LFのメンバーも、基本的にはOSDLとFSGをマージしたものとなっている。ボードメンバーとしての役割が与えられるプラチナメンバーには、IBM、Intel、HP、Novell、Oracle、富士通、日本電気、日立製作所の8社が名を連ねているが、このうち、OSDLとFSGの両方で活動していたのはIBM、Intel、HP、Novellの4社。富士通、日本電気、日立製作所といった日本企業はOSDLでは積極的に活動していたものの、FSGの正式なスポンサーではなかった。この点、FSGから見れば、合併によってより広範な企業の参加や支援を受けられることになり、まさに諸手を挙げての合併ということになろう。

 一方のOSDLにとっても、FSGの活動をマージすることで「標準化」という、業界団体の活動としての「錦の御旗」を手に入れ、また、団体名にLinuxを掲げる「悲願」を大きなあつれきなしに軟着陸させることができるなど、メリットは少なくない。「Linux財団」という名称には賛否両論あるかもしれないが、近年のOSDLの活動は事実上Linuxを中心に据えたものだったし、FSGにしても、その設立のいきさつからしてLinuxに影響を与えることを重要なミッションの1つにしてきたという背景があり、実情からいえばそれほど違和感があるというわけではない。

 1つ興味深いのは、Oralceがプラチナメンバーとなっている点だ。Oracleは、FSGにも昨年10月に加入したばかりで、OSDLには参加していない。これまで、こうした業界団体とは一定の距離を置いてきたOracleが、LFにはボードメンバー送り込む主要な立場で参加し、どのように立ち回るのか。LFの活動を通じて、Oracle自身がLinuxビジネスをどのように進めていこうとしているのかが垣間見えてくるかもしれない。

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