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» 2007年02月10日 08時30分 公開

最新のデジタル3Dマップはこう作る

NECとNECシステムテクノロジー主催のセミナーでは、最新のデジタル3D地図のソリューションが紹介された。MSのマップサービス「Virtual Earth」も登場した。

[國谷武史,ITmedia]

 NECとNECシステムテクノロジーは2月9日、デジタルの航空写真データを活用したソリューションを紹介する「デジタルオルソ最先端技術活用セミナー」を東京と大阪で開催した。米Microsoftのマップサービス「Virtual Earth」の紹介も行われた。

 デジタルオルソは、最新の画像補正技術を利用して作成する高精度のデジタル航空写真地図。航空写真は、中心点から離れた部分で画像に歪みが生じる特性があるため、平面地図を作成する際に補正が必要となる。また、デジタル化することで画像加工が容易になるため、使用目的に合わせた地図を手軽に作成できるメリットがある。

土地利用調査 撮影時期の異なる航空写真を比較する

 NECシステムテクノロジーでは、航空写真から高精度の3次元デジタルオルソを生成するシステム「RealScape」を提供する。DSMと呼ばれる標高(山地や建物の高さなど)データを基に、複数の航空写真を比較して土地利用変化の抽出や立体画像に写真データを添付して実際の都市景観の再現などが行える。

比高調査 建物の高さの変化を航空写真から抽出して土地利用の変化を手軽に確認できる。例えば標高が高くなれば、ビルが建設されたといったことが分かる

 従来は、自治体が都市計画やハザードマップの作成、固定資産税の調査などにこうした地図を利用していた。近年は、高精度の地図情報サービスの提供、またカーナビ用の地図データの更新を効率化するといった応用が始まっているという。

MSのマップサービスは航空写真がベース

 米Microsoftは、2006年11月からオンラインの3次元地図情報サービス「Virtual Earth」を提供している(関連記事)。立体表示は、当初は米国15都市のみだったが、現在は100都市以上をカバーし、2011年末までに500都市以上をカバーする計画だ。

 Virtual Earthでは、DMSから土地や建物の立体モデルを作成し、航空写真や現地で撮影した写真データをモデルに添付して、現実に近い景観を表示することができる。建物の立体画像は、クリエーターの手でCGを作成するケースが多い。DMSの活用で、建物の細部を精密にはやや欠けるものの、立体画像の作成を効率化できる。

Virual Earth Virtual Earthで提供する精密な立体地図画像

 マイクロソフトオンラインサービス事業部の網代正孝氏(ビジネスディベロップメントディレクター)は、「さまざまな作図システムを検証して、どのような形が地図データを最も精密に再現できるのかを検証している」と話す。

網代氏 網代正孝氏 ビジネスディベロップメントディレクター

 例えば航空撮影に利用するカメラ機材は、フィルムのシステムが中心だったが現在はデジタル化が進む。最新の機材では約1億3600万画素のデジタルカメラと大容量のストレージを接続し、地表面の高解像度撮影が可能になった。

 地図情報サービスの精度が高まることで、「例えば不動産業者が物件を紹介する際に、建物周辺の正確な景観や日当たりの具合を顧客へ伝えられるメリットがある」(網代氏)という。

 このほかセミナーでは、大阪府富田林市情報推進室の浅野和仁氏がデジタルオルソを公共分野で利用する際の課題や民間での活用方法などについて紹介した。またNPO法人「都市災害に備える技術者の会」の大田英将理事は、都市化と防災対策を検討する上でのデジタルオルソ活用法について説明を行った。

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