MS、新たなWindows Liveモバイルサービスを発表

Microsoftは12日、モバイル向けのWindows Liveサービスを発表。それぞれは、地図をマッシュアップさせて検索や可能にし、Javaデバイス向けクライアントアプリケーションになっている。

» 2007年02月14日 13時49分 公開
[Peter Galli,eWEEK]
eWEEK

 Microsoftは2月12日、スペインのバルセロナで開催された「3GSM World Congress」でモバイルデバイス向けの新たなWindows Liveサービスを3つ発表した。「Live Search on Windows Mobile」「Live Search on Java」そして「Windows Live for Windows Mobile」である。

 MSN/Windows Live向けのモバイル製品の管理を担当するディレクター、マット・シャンペイン氏が米eWEEKに語った内容によると、これらのサービスは、新しい検索機能とコミュニケーション機能を提供し、ユーザーはモバイルデバイスから簡単かつ効率的に情報にアクセスできるようになる。また、モバイル通信事業者、OEMおよび広告パートナー各社は、新しい収益機会を開拓するとともに、市場で自社製品の差別化を図ることができるという。

 Live Search on Windows MobileとLive Search on Javaは、Windows Mobile/Javaデバイス用のクライアントアプリケーションで、現在、米国と英国で無償のダウンロードソフトウェアとして提供されている。両サービスは、高度なローカル検索機能と地図検索機能をユーザーに提供する。

 このクライアントのβ版は2006年11月に米国でリリースされたが、「これが非常に好評だったので、β版という札を外すことにした。β段階がこんなに早く終了したのは初めてだと思う」とシャンペイン氏は語る。

 これらの新しい検索サービスでは、ローカルリスト/地図に素早く簡単にアクセスできるのに加え、携帯電話上での文字入力が不要なカテゴリー検索機能を提供する。

 「表現力豊かな地図や道案内機能もサポートする。これらの機能は、衛星画像の追加およびGPSとの連携によって拡張された。検索結果を知人にメールする、特定の地点への道順を表示させる、近くの施設を検索する、Click-to-Call機能を使う、すべての地点を地図に表示する、といった操作もワンクリックで行える」とシャンペイン氏は説明する。

 また航空写真を表示したり、米国の一部の都市では交通情報にアクセスすることもできる。交通情報はシンプルな緑/赤/黄の階調でローカル地図に表示される。

 Live Search for Mobileのプロダクトマネジャーを務めるダーシー・デフレイタス氏がeWEEKに語ったところによると、ユーザーが素早く簡単に目的地を検索、表示できるようにするのが目標だという。

 「新しいカテゴリー検索機能では、レストラン、ホテル、交通といったカテゴリーを選ぶことによって、リストを直接閲覧することができる。これらのカテゴリー内をさらに掘り下げて、電話番号や住所のリストを表示させることも可能だ」と同氏は話す。

 このサービスは、Windows Mobileデバイス、Nokia Series 40およびSeries 60デバイス、Motorola RAZR/SLVRファミリー、LGおよびSamsungの各種デバイスを使っている英国および米国のユーザーが利用できる。

 利用可能なデバイスのリストはこちらに掲載されている(関連リンク)

 Live Search for Mobileは、パートナーおよび広告主企業が新たな収益源を追求する機会を提供する。データプランや新しいデバイスへの需要が拡大する一方で、検索結果に表示される広告付きリンクなどによるモバイル広告が可能になるからだ。

 「米国では今日、ローカル地図のブラウズ環境での広告から既に収益を生み出している。広告は検索結果の中に広告付きリンクという形で表示される。このモデルは、パートナーとの間で広告収入を分け合うという方式だ」とデフレイタスは話す。

 「発表したばかりの段階であるため、われわれはまだ、このビジネス機会をOEMや通信事業パートナー各社に広く宣伝していない。しかし既に問い合わせが来ている」(同氏)

 もう1つのサービスであるWindows Live for Windows Mobileは、電子メール、インスタントメッセージング、検索、Windows Live Spacesなどの統合型Windows Liveサービスを組み合わせたもので、新たにリリースされた「Windows Mobile 6」を搭載したデバイスに対応する。シャンペイン氏によると、Windows Mobile 5ユーザーを対象としたダウンロードソリューションも提供する予定だという。

 このサービスはWindows Mobile 6で動作する任意のデバイスで利用可能で、ダウンロードおよびモバイル事業者を通じて提供されるが、3GSM World CongressショウではMicrosoftは具体的な配備事例は発表しなかった。

 「これらのサービスは単一のアプリケーションとして提供される。このアプリケーションは、プレゼンス対応で実行可能型のコンタクトリストを備えており、ユーザーはすべてのWindows Liveサービス、Microsoft Outlook、コンタクトに加え、関連するプレゼンス情報にアクセスすることができる。このサービスは業界で初めて、モバイルデバイス上で単一の統合型・プレゼンス対応のコンタクトリストを提供するものだ」とシャンペイン氏は話す。

 MSN MobileとLive Search for Mobileを担当するプロダクトマネジャー、シャンティ・ガーマン氏は、「ユーザーは音声および文字でコミュニケーションできるほか、Messenger内で画像をやり取りすることもできるようになる」と説明する。

 同氏によると、モバイルデバイス用のMicrosoftのメールサービスでは、ユーザーはほとんどどこからでも自分のWindows Live MailあるいはHotmailアカウントを管理することが可能であり、電子メールメッセージ内で画像やWebリンクをHTMLで表示させることができるという。また、プッシュメール技術は、新規の電子メールをワイヤレスでデバイスに直接送信する機能を提供する。

 「Live Searchでは、ニュース、地域の企業や娯楽施設、道順、地図、画像などをWeb上で検索することができる。検索結果は分類別に見やすく表示され、Click-to-Call機能機能も備わっている」とシャンペイン氏は話す。

 モバイルデバイス向けのMicrosoftのグローバルなブログ/写真サービスであるWindows Live Spaces for Mobileでは、ユーザーはコンタクトカード内でほかの人のスペースへのリンクにアクセスできるほか、ほかの人のスペースにモバイルデバイスから写真やビデオを直接送信することができる。

 「今のところ、このクライアントでは広告掲載を考えていない。現時点でのわれわれのモデルは、通信事業者を通じたチャネル主導型であり、これらの事業者が顧客に収益機会を提供する形になる」とシャンペイン氏は説明する。

 さらにMicrosoftでは、オープンなAPIおよびパートナー/開発者プログラムを通じて開発機会を実現する考えだ。「Windows Live Developer Programは、Windows Mobile、 Java、Symbian、Palmベースの各デバイス向けのソリューションを開発し、モバイル事業者とともに配備するISV(独立系ソフトウェアベンダー)に、SDK、テストガイドラインおよびサポートを提供する」(同氏)

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