シーゲイト、モバイルストレージソリューションを日本で初公開

シーゲイトはHDDの低消費電力化や無線通信を可能にする技術を日本で初公開した。

» 2007年03月05日 19時43分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 日本シーゲイトは3月5日、1月に米国で発表したストレージの低消費電力化を実現する制御モジュール「SMM」(Storage Management Module)と、HDDの無線通信を実現する「DAVE」(Digital Audio Video Experience)技術を日本で初公開した。

 SMMは、HDDの動作を制御することで消費電力量を最大85%削減できるモジュール。例えば、マルチメディアプレーヤーの「早送り」「巻き戻し」「2倍速」といった命令をSMM側から行うことで、HDDの動作を最小限に抑えることができるという。

モバイルテレビ SMMやDAVE(左)を採用したモバイルデジタルテレビ端末の試作機

 STマイクロエレクトロニクスのモバイル端末向けマルチメディアプロセッサ向けに提供が開始され、携帯電話端末やポータブルテレビなどに保存されたマルチメディアコンテンツの長時間再生が可能になる。

 DAVEは、モバイル端末とポータブルHDDの間で、Bluetooth 2.0およびIEEE 802.11b/gを介したデータ通信を可能にする技術。SMMも採用され、現在は1.8インチHDDのモデルが用意されている。

DAVE DAVEとプレーヤーを利用したモバイル映像視聴

 DAVEに保存した長時間の映像コンテンツを携帯電話やポータブルテレビなどで視聴したり、セキュリティで保護された業務データをモバイル端末で業務に利用するといったことが可能になるという。

ロブ・ペイト氏 ロブ・ペイト ディレクター

 米Seagate Technologyグローバルコンシューマーエレクトロニクスマーケティングディレクターのロブ・ペイト氏は、「業務データを保存したDAVEをかばんにしまい、Bluetoothを介して携帯電話で利用できる。手元の携帯電話を紛失しても業務データはDAVEにあるので安心でき、仮にDAVEを紛失してもデータは暗号化によって保護されている」と話す。

 すでに仏France Telecom傘下のOrangeを共同で、DAVEを利用したテレワーキングソリューションをスタート。また、NOKIAやSymbianとの協業も開始した。

 ペイト氏は、「携帯電話に大容量ストレージを内蔵すれば、サイズや重量、端末価格が跳ね上がる。SMMやDAVEは、モバイル環境を求めるユーザーの選択肢を広げ、新たな市場を創造するだろう」と話す。

 通信事業者やモバイル機器メーカー向けのOEM供給から開始するが、将来的に自社ブランドでも展開する計画だという。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ