今度は新規プロジェクトとして、簡単なアンケート投票システムを作ってみます。
先ほどと同様に、[File]メニューから「New...」を選択し、さらに[Rails]-[Rails Project]を選択します。次に、新規Railsプロジェクト作成用のダイアログで、プロジェクト名に「enquete」と入力して[Finish]ボタンをクリックすると、enqueteプロジェクトが生成されます。
続いてデータベースの作成ですが、データベースの情報を見るにはphpMyAdminを使用します(図4)。
Instant RailsのApacheが実行されている状態でWebブラウザから「http://localhost/mysql/」にアクセスすると、phpMyAdminのメニュー画面が表示されます。ただ、初期設定では日本語の場合に問題があるため、修正が必要です。Instant Railsのインストールディレクトリにあるphpmyadmin/lang/japanese-utf-8.inc.phpファイルの9行目を、
$charset = 'UTF-8';
↓
$charset = 'utf-8';
と小文字に変えてください。これで正しく表示される*ようになります。
enquete用のデータベースは、以下のような命名規則があります。
まずは開発用データベースを作成します。phpMyAdminのメニュー画面で、「新しいDBを作成します」という表示の下のフォームに「enquete_development」と入力し、[作成]ボタンをクリックします。これによって、enquete_developmentデータベースが作成されたはずです(図5)。
テーブルの作成にはmigrationを使用します。まず、RadRailsのウインドウ下部にある「Generators」タブを選択し、左側のドロップリストで「migration」を選んで右側に「Enquete」と入力します(図6)。そして[Go]ボタンをクリックすると、db/migrate/ディレクトリ以下に001_enquete.rbファイルが作成されます。これがEnquete用のmigrationファイルです。このファイルには、反映させたいテーブルの内容を記述します。最初は単にメソッド名が書いてあるだけなので、ここに具体的な処理*を書いていきましょう(リスト1)。
class Enquete < ActiveRecord::Migration
def self.up
create_table :enquetes do |t|
t.column :title, :string, :limit => 100, :null => false
t.column :body, :string, :limit => 200
end
create_table :items do |t|
t.column :enquete_id, :integer, :null => false
t.column :name, :string, :null => false, :limit => 100
t.column :count, :integer, :null => false, :default => 0
t.column :created_at, :timestamp
t.column :updated_at, :timestamp
end
end
def self.down
drop_table :items
drop_table :enquetes
end
end
この内容をデータベースに反映させるには、Instant Railsから「rake migrate」を実行します。InstantRailsのメインメニューから[Rails Applications]-「Manage Rails Applications...」を選択後、[Create New Rails App]ボタンをクリックすると、cmd.exeが立ち上がります。ここで、
> cd enquete
> rake migrate
と実行すると、データベースにテーブルが作成されます。
phpMyAdminで確認してみましょう。画面左側のドロップリストから「enquete_development」を選択すると、enquetesテーブルとitemsテーブル、schema_infoテーブルができており(図7)、テーブルの中身を見てみると、id、title、created_at、updated_atの4つのカラムが存在するはずです。
テーブルが完成したところで、scaffold*によってコードを生成します。画面右下で「Generators」タブを選択してから、左側のドロップリストで「scaffold」、右側に「Enquete Admin::Enquetes」と入力し、[GO]ボタンをクリックします。すると、scaffoldが実行され、enquete関連のファイルが生成されます(図8)。
Cookbookと同様に、再度WEBrickを立ち上げてWebブラウザで「http://localhost:3000/admin/enquetes/」にアクセスすると、scaffoldで生成された画面が表示されます(図9)。
詳細は「満足せる豚。眠たげなポチ」参照。
この記述にはMigration専用DSL(DSLについては今後解説)を使用する。
データモデルに対する最小限必要な操作(追加・削除・表示・一覧・編集)を行うインタフェースを実装する機能。
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