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» 2007年03月19日 08時00分 UPDATE

わが社のビジネス継続性を確立する!:ANA機胴体着陸事故とハインリッヒの法則に学ぶ (1/2)

BCPの立案、策定、運用においては、常に2つの状態を認識しておく必要がある。インシデント時は当然ながら復旧までの時間を最小限に抑えることが重要だが、一方で平常時にも、インシデント発生のリスクを最小限に抑える運用が求められ、かつインシデントの発生が防げなかった場合に備えて事前の準備が欠かせない。たとえて言うなら、平常時は堤防などの設備を整えて洪水の発生を抑えるよう努めると同時に、洪水が発生したインシデント時に備えてハザードマップや避難計画を整備しておくようなものだ。

[岡田靖,ITmedia]

このコンテンツは、オンライン・ムック「わが社のビジネス継続性を確立する!」のコンテンツです。関連する記事はこちらでご覧になれます。


危機管理は平常の心構えが重要

 いくらきちんとした危機管理体制を整備していても、いざというときにその体制が機能しないこともある。その理由としては、しばしば「関係者の危機意識の欠如」が挙げられる。インシデント時、関係者は平常時と異なった役割を求められる。作業の優先順位も違う。にも関わらず日常的な体制で動こうとして、結果として対応が遅れるといった具合だ。あるいは逆に、インシデント時だからと、作業に必要な安全確認を省いて行動した結果、二次災害に巻き込まれたり、余計なトラブルを招くケースもある。

 基本的に、インシデントからの回復には多大な労力を要する。関係者がどれだけ迅速かつ的確に活動できるかが、一つの大きなポイントとなる。必要な資材・機材を準備したり、危機管理体制を整えるといった整備と同時に、その体制を動かす人材についても配慮が必要だ。

他山の石で“生きた”訓練計画を

 「災害は忘れた頃にやってくる」ということわざがある。とはいえ、この言葉は「大規模な災害は頻繁に生じるものではないから忘れがちだ」とも解釈できる。日頃から工夫をしていれば、しっかりした心構えを維持していくことも不可能ではないはず。

 大規模自然災害について言えば、大地震がある地域を襲うのは100年に1度かそれ以下だが、日本全国でみれば10年に1度以上の頻度で発生し、各地で被害を生じている。もっと小規模な災害でいえば、風水害は2〜3年に1度は発生している。業務を停止させる可能性のある停電や通信障害なども、小さなものなら頻繁に発生している。

 こうした情報をこまめに収集し、関係者の間で共有しておくことは、災害や事故を身近な存在として意識しておくために有効だ。また、可能な限り詳しい情報を入手し、そのケーススタディを行ってインシデント時の体制やルールを再確認したり、必要に応じて修正を加えていくことも大切だ。

 さらに、インシデント対応の訓練を行う際にも、関係者の記憶に新しい直近の災害を元に行えば、より強い意識づけが可能になる。同じような訓練を繰り返していてば、関係者はすぐに慣れてしまう。訓練の想定通りのインシデントが発生した場合には迅速な対応が可能になるかもしれないが、実際の災害がその通りになる可能性は低い。そもそも、災害というのは確実に想定できないものなのだから。

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