医療検索エンジンの獲得はMSに何をもたらすか？（1/2 ページ）

Microsoftは、医療情報の検索エンジンを手がけるMedstoryを買収する計画を発表した。Medstoryの医療検索技術は、検索分野と医療分野におけるMicrosoftの取り組みをどう補完するのか？

[Paul DeGroot，Directions on Microsoft]

　カリフォルニア州フォスターシティに拠点を置くMedstoryは2006年7月、医療情報に特化した検索エンジンのβ版をリリースしている。この検索エンジンは人工知能（AI）アルゴリズムを用いて検索結果をサブトピックに分類するようになっているため、ユーザーは検索結果を迅速に絞り込める。

　例えば、「乳がん」というキーワードで検索すると、従来どおりのWeb検索結果のリストのほかに、「医薬品」「栄養」「臨床研究」といったカテゴリ別の結果が表示される。さらに、各カテゴリが一般的なトピックに分類され、各トピックの関連度がバー表示される。トピックをクリックすれば、検索のキーワードにそのトピックを追加したり、あるいは、そのトピックだけで新たに検索を実行したりできる。

　現在、Medstoryのサイトでは、検索結果はすべて関連度で判断されるようになっており、スポンサー付きの検索結果やそのほかの形態の広告は一切表示されていない。一方、Medstoryはコンテンツの認知度を高めるべく、Wall Street Journalのサイトや医療関連のWebサイトなどとパートナー提携を行っている。

Medstoryの検索結果

　Medstoryの検索エンジンでは、検索結果を最も関連度の高いトピックに迅速に絞り込めるようになっている。上の図版は、「乳がん」というキーワードで検索を実行した場合に表示される画面の一部だ。検索結果画面のトップには、主要なカテゴリ別の結果が表示され、さらに各カテゴリが関連度の高いトピックに分類され、リンクされている。

　ここでは、ユーザーは「Drugs & Substances（医薬品）」カテゴリから「Adriamycin（アドリアマイシン）」というトピックをクリックしている。ポップアップ表示されたウインドウには、その薬品に関する追加情報や、検索をさらに絞り込むためのオプション（例えば、その薬品の副作用の検索など）のほか、そのトピックと関連した検索結果（例えば、手術前の化学療法を関する記事へのリンクなど）が表示されている。