医療検索エンジンの獲得はMSに何をもたらすか？（2/2 ページ）

[Paul DeGroot，Directions on Microsoft]

　Medstoryの買収は、検索分野と医療分野におけるMicrosoftの取り組みに影響を及ぼすことになる。現在提供されているβ版は特に消費者に重点を置いたものとなっており、また、Medstoryの技術は医療以外のトピックにも適用できるため、今後、Microsoftの一般的な検索技術に組み込まれる可能性もある。

　またMedstoryの技術は、MicrosoftのConnected Health Frameworkも補完することになるだろう。Connected Health Frameworkは、医療機関が従来使用してきた異種システムを統合し、自動化するためのMicrosoftベースのフレームワークだ。

　さらにMedstoryの技術は、専門的な検索エンジンの開発を進めているGoogleに対抗する上でも役立つだろう。GoogleのCo-opポータルでは、任意のテーマについて、特に信頼度が高く、情報量が多いと思われるサイトやリンクを個人ユーザーや組織が自分で選択し、専門の検索エンジンを構築できるようになっている。その場合、検索対象は選択されたサイトに限定されるため、検索結果の妥当性も向上する。

　Medstoryの買収については、2007年2月に開催されたHealthcare Information and Management Systems Societyカンファレンスで、MicrosoftのCEOであるSteve Ballmer氏が発表した。買収金額などの詳細は明らかにされていない。MedstoryのCEO、Alain Rappaport博士はヘルスソリューションズグループの医療検索担当ジェネラルマネジャーに就任し、医療戦略担当コーポレート副社長のPeter Neupert氏にレポートする。Medstoryの従業員は、ヘルスソリューションズグループに組み込まれることになる。