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» 2007年05月16日 19時47分 UPDATE

Javaはなぜクライアント指向に歩み寄るのか (1/2)

JavaOneでは、Java ME/SE/EEそれぞれの進捗紹介が通例となっていた。しかし今年の講演では様変わりし、その傾向に変化があった。クライアント寄りの趣向が目立ったその戦略に隠されていたものは。

[渡邉利和,ITmedia]

 先ごろ米国サンフランシスコで開催された「2007 JavaOne」では、既報のように「JavaFX」を取り巻くクライアント寄りの戦略が中心となっていた。その中でも、技術視点のテクニカルゼネラルセッションでは、サーバサイドの話題が盛り込まれ、開発者の興味を引くデモが相次いだ。

クライアントとサーバの役割分担変動

 Sunのディスティンギッシュトエンジニアであり、ソフトウェア部門のCTOでもあるBob Brewin氏が語ったのは、「アプリケーションモデルの変遷によって、クライアントとサーバの役割の比重が波打つように変動する」という考え方だ。

DSC_3716.jpg Sunでソフトウェア部門のCTO、Bob Brewin氏

 同氏が挙げたのは「端末型アプリケーション(Terminal Applications)」「クライアントサーバアプリケーション(Client/Server Application)」「Webアプリケーション」「リッチインターネットアプリケーション(Rich Internet Application)」「統合型リッチクライアント(Integrated Rich Client)」という5世代に渡る変遷である。

 メインフレーム時代の端末は単なる入出力デバイスであり、演算処理は担っておらず、コンピューティングはサーバであるメインフレーム側に圧倒的に依存していた。しかし、その後は分散型のモデルに移行し、かつクライアントとサーバの間での負担の比率が徐々に振幅が小さく収束に向かう波のように変動しているという。そして、変動幅を徐々に小さくしながら、おおよそ半々のところに落ち着きつつあるという状況だ。

DSC_3722.jpg アプリケーションモデルの変遷によってコンピューティングはサーバとクライアント、半々の割合に落ち着きつつあるという

 同時に、モデルの世代が変わっていくにつれ、アプリケーションを実現するために新規に書かれるコード量は減少している。こちらはモデルが新しくなるにつれて減少が加速している。一方、表現力豊かな(リッチな)メディア/コンテンツへの対応能力に対する需要は増加を続け、これもモデルの変遷につれて加速度的に急上昇カーブを描く。

 この認識が、Javaでの開発生産性を上げる努力が続けられたことや、今回のJavaOneでWebコンテンツ作成のためのスクリプト言語JavaFX Scriptなどが発表されていることの背景にある技術的な意味、ということになるだろう。

Java EEの進捗は実装段階のため潜めた

 続いて、テーマごとに多数の担当者が登壇して講演を行う、という展開だった。ただし、ここ3〜4年の間ずっと定着していたスタイルである、SE、EE、MEというJavaのエディションに分けてそれぞれの進捗やロードマップを中心に紹介していくスタイルではなくなっていたのが今年のJavaOneの特徴でもある。

 エディションとして取り上げられたのはSEのみであり、後は最新動向としてさまざまなJava関連のテクノロジーが並列的に紹介されていく、というスタイルになっていた。中でも大きく扱われたのがJavaFXであり、これがMEのパートに相当すると考えることは可能だろう。JavaFXに関しては別記事で触れた(関連記事)

 また、ここ数年JavaOneでの中心的な話題となっていたEEに関する話が見当たらなかった点は特徴的だ。別途関係者に聞いてみたところ、「昨年EEに関して膨大な発表を行ない、現在はその実装に取り組んでいる段階なので追加発表があまりないというタイミングに当たってしまった」という説明だった。このことと、JavaFXのリリースとで、今年のJavaOneは久しぶりにクライアント主体のイベントになった感があったのだ。

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