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» 2007年06月26日 15時01分 UPDATE

姿が見えた次期Webブラウザ、Internet Explorer 8

次期IEでは、ブラウズ機能が全般的に改善され、クライアントサイドの新APIが提供される。ただしリリースは次のWindows OSよりも前になることはなさそうだ。

[Rob Helm,Directions on Microsoft]
Directions on Microsoft 日本語版

 米Microsoftが発表した大まかなタイムテーブルによると、Internet Explorer(IE)ブラウザの次期バージョンは2008年か2009年にリリースされる見通しだ。新版では、使い勝手やセキュリティのほか、ブログなど新種のWebサービスのサポートが強化され、開発者向けには、クライアントサイドの新しいスクリプティングAPIが追加され、標準のサポートも強化されるという。ただし、Microsoftはこの「IE 8」(正式名称は未定)の単体でのリリースについては明言していない。IEの次期バージョンがWindowsクライアントOSの次期バージョンと連動してリリースされるのであれば、スケジュールにかなりの遅れが生じる可能性もある。

開発の優先事項は新種のWebサービスへの対応とAPI

 MicrosoftでIEを担当するプログラムマネジャーのクリス・ウィルソン氏は先日、同社主催のWeb開発者向けカンファレンス「MIX '07」において、IEの次期バージョンの開発における優先事項について、以下のように概略した。

使い勝手とセキュリティ IE 8では、使い勝手が全般的に改善されるほか、ブログなど新種のWebサービスのサポートが強化される。セキュリティも最優先事項の1つだ。セキュリティはIE 7でも大幅に強化されたものの(フィッシング攻撃対策など)、ハッカーの間では依然としてIEブラウザのセキュリティ脆弱性が見つけ出されている。

クライアントサイドのWebプログラミング IE 8では、クライアントサイドのスクリプティングのためのAPIが改善され、特に、Outlook Web AccessやGoogle MapsといったAsynchronous JavaScript and XML(AJAX)アプリケーションのサポートに重点が置かれる。最大の目標は、ブラウザスクリプトを使って、クライアント上の限られた容量のスペースにデータを保存できるようにすることだ。このAPIは現在、World Wide Web Consortium(W3C)により策定が進められているところ。このAPIが完成すれば、AJAXアプリケーションはオフラインでも安定して動作できるようになり、デスクトップアプリケーションと比較した場合のAJAXアプリケーションの主要な制限事項の1つを解消できることになる。そのほかの優先事項としては、ローカルストレージやマッシュアップサイト(複数ソースのコンテンツを組み合わせて提供する)をサポートするセキュリティモデルの強化、W3CのクライアントサイドのイベントAPIの実装などが挙げられる。

標準のサポート ウィルソン氏によると、Microsoftは引き続きIEの次期バージョンにおいても、各種のW3C標準、特にCascading Style Sheets(CSS)レイアウト仕様のサポートの強化に注力する方針という。標準のサポートについては、IE 7でも大幅に強化されたが、まだ一部のテストでは、競合のブラウザに遅れを取っている。さらにIE 8は、HTML 5標準を実装する初めてのブラウザの1つとなりそうだ。HTML 5標準は現在、ウィルソン氏が共同議長を務めるW3Cワーキンググループにおいて策定が進められている。ただしウィルソン氏は、IE 8では引き続き、Web標準に準拠しているかにかかわらず、既存バージョンとの後方互換性を重視する、と明言している。なぜならそうしないと、IEのユーザー数の多さからして「Webを壊す」ことになりかねないからだ(FirefoxやAppleのSafariなど、競合ブラウザのシェアが徐々に拡大しているとはいえ、IEは依然として80%前後のユーザーシェアを維持している)。

 さらに同氏は、「後方互換性」よりも「Web標準への準拠」を重視するWebページ作者のために、現行のQuirks Mode(過去互換モード)よりも明確な方法で、Web標準への準拠をリクエストできる方法を提供する必要があると指摘している。「Webページ作者がWeb標準への準拠を意図しているのか、それとも動作が変わらないことを期待しているのか、現状では、そのどちらなのかが区別できない」と同氏は語っている。

リリースはおそらく次期Windowsと同時期に

 Wilson氏は「IE 8はWindowsクライアントOSとは別個にリリースされるのか」との質問にははっきり答えず、「IE 7のリリースには5年を要したが、次期バージョンはそれより短期間でリリースしたい」とのMicrosoftの考えを明らかにしている。同社の幹部の間では、次期WindowsクライアントOSについても同様の発言が行われている。おそらく、IE 8と次期WindowsクライアントOSは2008年遅くか2009年に同時にリリースされることになりそうだ。

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