親子で考えるセキュリティと安全

総務省で8月23日まで開催されている「ネット利用の安全と未来フォーラム2007」。安全なインターネット活用を学習できるイベントで目白押しだ。マイクロソフトが考えるセキュリティへの取り組みとは……。

» 2007年08月23日 00時00分 公開
[藤村能光,ITmedia]

 マイクロソフトは8月22日、総務省と共催で、PCやインターネットの安全な使い方を支援する親子向けイベント「ネット利用の安全と未来フォーラム2007」を実施した。同社は、子どもがインターネットを安全に利用するための取り組みを披露した。

 同フォーラムの座長を務める慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科の金子郁容教授は、「インターネットのいいところ、悪いところを勉強して、親子でインターネットを楽しむきっかけを作る2日間となってほしい」とフォーラムの趣旨を述べた。

image 「インターネットを利用して悪いことをする人がいる。気をつけて使わないと大変なことになる」と子ども目線でメッセージを送る金子氏

親子で学ぶセキュリティ

 マイクロソフトが2007年8月にまとめた子どもと親のインターネット利用に関する意識調査によると、子どもがインターネットを始めたのは「小学1〜3年生ごろから」が32.5%、小学生の間にインターネットを始めた割合は84.4%を占めた。インターネット利用の低年齢化が進んでいる。

 それを反映するかのように、子どもを媒介とした個人情報の漏えいが問題となっている。ゲームのダウンロードサイトに訪れた子どもに、住所や名前、両親の会社などを入力させたり、小中学生がブログを立ち上げ、先生や友達を名指しで批判するなどの情報漏えいが起こっているという。インターネット利用におけるモラルやルールを子どもたちが知らないことが、問題の引き金となっている。

 マイクロソフトは、こうした事態から子どもを守るために、両親がセキュリティに関する自覚を持ち、子どもが安全にインターネットを利用できるように心掛ける必要があると考える。イベントでは、家族向け有害サイトブロックサービス「ファミリー セーフティ」が紹介された。子どものインターネット利用を両親が管理し、有害サイトへのアクセスを制限できる。また、子どもが見そうなWebコンテンツを、ギャンブル、タバコ、ポルノなどのカテゴリーに分けてフィルタリングする機能もある。

alt 会場は親子で体験できる出し物やイベントが目白押しだった。PCの操作を見ていると両親より子どもの方がインターネットの操作に慣れている様子

インターネットの楽しさを次世代に

 フォーラムでは、インターネットの楽しさを子どもに伝えるため、マイクロソフトによる旭山動物園のWebコンテンツが紹介された。このコンテンツは、テキストや画像に加え、動画やアニメーション、3Dなどのコンテンツを統合したWebサイトが作成できる「Windows Presetation Foundation(WPF)」で作られたもの。WPFはVistaに標準搭載されている。

alt 左は旭山動物園のWebコンテンツ。3Dで表示された地球上の動物アイコンをクリックすると、その動物のコンテンツが表示される。カーソルを地球にあててドラッグさせると、地球が傾いたり回転するといった遊び心も取り入れられている。右は、Webコンテンツを見ながら研究課題に取り組む子どもたち

 また、同社が開催した「インターネット安全教室」では、ルールを守って正しくインターネットを使おうというテーマで講義が行われた。特別講師を務めたのは俳優の市川洋介さん。市川さんは、「自分や友達の名前をインターネット上でむやみに教えない。インターネット上で知り合った人とは絶対に会ってはいけない。人の嫌がることをしてはいけない。この3つを覚えて帰ってください」と子どもたちに説明した。

alt 満員御礼となったインターネット安全教室。市川さんが「インターネットで何をしているか」と質問したところ、小学生から真っ先に上がった答えは「YouTube」。会場ではどよめきが起こった(本来 YouTubeは13歳未満は利用できないことになっている)

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