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» 2007年09月28日 09時09分 UPDATE

Googleのワイヤレス市場参入――可能性に色めくネットワーク機器プロバイダー各社 (1/2)

Googleがワイヤレスネットワーキング分野に進出する動きを見せていることで、機器プロバイダー各社は全米規模の新しいネットワークが構築される可能性に期待を寄せている。

[Paula Musich,eWEEK]
eWEEK

 連邦通信委員会(FCC)は、700MHzの無線周波数帯の一部の競売を実施する予定だが、その方式は西部開拓時代を思い起こさせるものだ。広く開かれており、何が起きても不思議ではないのだ。

 Googleも入札に参加するとの噂が流れる中、ワイヤレスネットワーク機器プロバイダー各社は、全米規模の新しいネットワークが構築される可能性に色めき立っている。しかしそのネットワークがどのような形態になるのか、どのくらい普及するのか、そしてGoogleがネットワーク構築のパートナーとしてどの企業を選ぶのかについては、極めて不透明な状態だ。

 マサチューセッツ州アシュランドにあるワイヤレスコンサルティング会社、Farpoint Groupのクレイグ・マサイアス社長は、「この周波数帯を競売にかける背景には、『創造性を発揮してもらいたい』という考え方がある。誰かが機器で大儲けをするだろうが、それが誰かは分からない」と話している。

 観測筋の間では、Googleはブロードバンドワイヤレスインフラの構築を狙っている可能性が高いという見方がもっぱらだ。Googleの目指すインフラは、同社のビジネスモデルに適合し、米国内でまだ十分なサービスが提供されていない地域をカバーするとみられている。

 「なぜGoogleがこれをやろうとしているのか? それは彼らが不満を抱いているからだ」と指摘するのは、コンサルティング会社、Communication Network Architectsのフランク・ジュベック社長だ。「彼らの成長を妨げている要因の1つが、モバイルブロードバンドの容量不足だ。必要な技術が存在するにもかかわらず、キャリア各社は需要に対応するのに十分高速なネットワークを提供していないとGoogleは考えている。結局、これはブロードバンドアクセスの問題だ」と同氏は語る。

 Burton Groupでネットワーク/通信戦略を担当するマイケル・ディサバト副社長兼サービスディレクターによると、Googleの関心をかき立てているもう1つのモチベーションは、ワイヤレスネットワーク事業者に対し、それぞれのネットワークへのアクセスを各種のデバイスに開放するよう促すことかもしれないという。

 「Googleは自分たちの主張の正しさを立証しようとしている。彼らはネットワークが開放され、どんなデバイスでも接続できるようにしたいと考えている。閉鎖的な携帯端末モデルを壊し、同社のビジネスモデルの有効性を示したいのだ」とディサバト氏は語る。

 それともGoogleは、ネットワーク事業者各社が将来、同社の既存ビジネスモデルを損なうような変更を行う可能性に対して防衛策を講じようとしているのかもしれない。「彼らは安い保険料でそうしようとしているのかもしれない。ネットワークの中立性が失われ、例えば、2年後にAT&TやVerizonがGoogleの顧客にアクセス料を課すようになったとしても、Googleがネットワーク運用事業者を抱えていれば、顧客に選択肢を提供することができる」と指摘するのは、Burton Groupのリサーチディレクター、デイブ・パスモア氏だ。「そうなれば、彼らはほかのネットワーク事業者の気まぐれにあまり左右されることがなくなる。Googleにしてみれば、これは保険のようなものだ」。

 これらのモチベーションはそれぞれ、Googleが入札して700MHz帯を獲得した場合に、新しいネットワークの構築に向けた同社のアプローチに影響するとみられる。

 テキサス州リチャードソンを本拠とするNortel Networksで4G(第4世代)ネットワークとエコシステムビジネス開発を担当するジョン・ホードリー副社長は、Googleが採用する可能性がある技術について、ナローバンドのGSMやCDMA(Code Division Multiple Access)よりもWiMAXやLTE(Long-Term Evolution)などのモバイルブロードバンド技術の方が同社のビジネスモデルに適していると話す。

 「WiMAXとLTEのアーキテクチャは、彼らが現在利用しているアーキテクチャ、すなわちフラットなIPネットワークに近い。Googleはこれらの技術に魅力を感じるのではないかと思う。これらのネットワークが一般に販売されているからだ」とホードリー氏は語る。

 スウェーデンのストックホルムに本社を置くEricssonで政府/業界向け営業を担当するディレクター、マイケル・ヘーレン氏によると、もしGoogleが700MHz帯を落札し、新しいネットワークを構築することを決めた場合、700MHz帯の特質上、比較的容易かつ低コストで構築することが可能だという。2GHzなどの高周波数帯域と比べると、700MHz帯は少ない数の中継塔で同じ地理範囲をカバーできるからだ。

 「2GHzの場合は4倍近くの数の中継基地が必要だ。700MHzであれば、配備はずっと簡単だ」とヘーレン氏は話す。

 ヘーレン氏によると、全国的なネットワークを構築するに際して、これが最も重要な問題だという。「中継基地の数は、設備投資コストと運用コストの最大の要因だ。電波到達距離という点では、低周波数帯域の方が優れている。より広い範囲をカバーできるのだ」と同氏は説明する。

 しかし700MHz帯の特性およびFCCによる同帯域の構成方法は、WiMAXおよびLTEをこれらの周波数に適合する上で大きな困難を課すようだ。

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