「裏サイト」「YouTube」は必要悪か?オルタナブログ通信(1/2 ページ)

オンラインで過ごす時間が増えるとライフスタイルに変化が? 「学校裏サイト」とは、その通過点なのだろうか? 相も変わらない動画サイトの著作権問題、そしてネットサービスの終了――オルタナブロガーは、ITの時事ネタから政治とメディアに至るまで、独自視点から問題点を掘り起こしていく。

» 2007年10月03日 12時34分 公開
[森川拓男,ITmedia]

学校裏サイトとは?

 林雅之氏「『ビジネス2.0』の視点」オンラインで過ごす時間が増えると世の中どうなっちゃってしまうのか?(仮説)で取り上げられたように、オンラインで過ごす時間が増えたためにライフスタイルに変化が生じている調査結果がある(関連記事)。これは、米国事情ではあるが、ネット社会が進みつつある日本においても、同じことが言えるかもしれない。いったい、このままネット社会が進むとどのような影響があるのだろうか?

 一つの事例として、永井孝尚氏「永井孝尚のMM21」に投稿された学校裏サイトが増えている現実がある。

 さまざまな事件が報じられる中で、折りに触れて出てくるようになったのが、「裏サイト」。この場合の「表サイト」は、学校の公式Webサイトであったり、表に公開している個人Webサイト、ブログといったものだろう。対する「裏サイト」とは、表には公開せず、仲間うちだけで作っているもの。いわば、SNSのようなものだ。学生時代は、永井氏も指摘するようにささいなことで衝突し、けんかもするだろう。しかし、それが直接相対することによって痛みも知り、成長していくはず……、なのだが。現実的にもいじめなどがひどくなり、もはや犯罪になっていく中、直接相対しない匿名のネット上では、それらが暴走しやすい。それは、オープンな掲示板なブログでも、多くの人たちが経験しているはずだ。それがクローズドになり、参加者が限られれば、さらに悪化していくのではないだろうか。

 教育問題はいろいろ叫ばれているが、「裏サイト」問題は火急に対処すべきことだろう。ネット社会を止めることはできないので、子供のころからしっかり教育していくことが大事なのだ。

著作権がらみのエントリーがランクイン

 「オルタナティブ・ブログ」は、140組を超えるオルタナティブ・ブロガーがITにまつわる話題などを日々発信するITmediaのビジネス・ブログメディアだ。この「オルタナティブ・ブログ」に投稿されたエントリーの中から特に、筆者視点でピックアップして紹介し、ナビゲーションする目的で連載しているのが「オルタナブログ通信」である。読者がオルタナティブ・ブログを読む際の参考にしてもらえれば幸いだ。

 さて今回は、9月20日〜9月26日に投稿されたエントリーの中から、筆者の視点で次のキーワードに注目して取り上げさせていただいた。そのキーワードとは、冒頭で触れた「学校裏サイト」のほか、「YouTube」と「著作権侵害」「郵政民営化の果て」「ネットサービスの終了」などといったものだ。

9月20日〜9月26日を最新としたオルタナティブ・ブログのステータス

 今回は9月20日〜9月26日を「9月3週」として、オルタナティブ・ブログの「見える化」を行った。それぞれ開始日を基準にして、8週間分のデータをグラフ化しているので、参考までに見ていただきたい。

 残暑がやっと落ち着いたせいか、8月期と比べると書き込み数も高値で安定してきたような印象がある。9月1週が大幅に書き込み数が増え、2週で少し落ち込んだものの、今回は10ほど書き込み数が増加している。この調子が続くのか、それともこれは一過性のものかのか、注視したい。

 また、前回に触れたオルタナティブ・ブログの集まりで吉川日出行氏が「投稿タイミング」の問題について話したことを受けて、実際に参加したブロガーの投稿状況に変化があったのかどうか、吉川氏「ナレッジ!?情報共有・・・永遠の課題への挑戦」において、オルタナティブ・ブロガーの行動力をはかるという分析が投稿された。これを読んでみると、なかなか面白い。

 今週は、新たに2人のオルタナティブ・ブロガーが誕生した。GEコンシューマーファイナンス戦略企画&マーケティングディレクターの平尾清氏「喜望峰を目指して」と、ベンチャーキャピタリストの辻俊彦氏「辻俊彦 現場で働くベンチャーキャピタリスト」だ。今後の活躍に注目しよう。

 ここで、9月17日〜9月23日の週間アクセスランキングから幾つか紹介しよう。

 1位と10位に、栗原潔氏「栗原潔のテクノロジー時評Ver2」からYouTube絡みのエントリーがランクインしたのが注目だ。1位に入ったのが「なぜ、Youtubeは著作権侵害コンテンツをポルノと同じようにシャットアウトできないのか?」、10位に入ったのが「 PrinceのYouTube提訴の件について」。そして、7位に入った「【超雑談】Perfumeについて」も、決してこれらと無縁ではない。このうち、1位にランクインした「なぜ、Youtubeは著作権侵害コンテンツをポルノと同じようにシャットアウトできないのか?」に関しては後述する。

 それ以外で見ると、前回1位にランクインした山口陽平氏「一般システムエンジニアの刻苦勉励」のドラクエに例えた関連エントリーが2位〜4位を占めたのが注目だろうか。

 また、前回取り上げた「どうしてパワポは別だったのか」(きょこ コーリング)が8位にランクインしていたのは興味深かった。

 それでは、今週のオルタナティブ・ブログではどのような話題が投稿されたのか、幾つか見ていくとしよう。

YouTubeと著作権侵害

 ネットと著作権という問題は、切っても切り離せない課題であるが、特に最近、問題視されるのは「動画投稿サイト」だろうか。栗原潔氏「栗原潔のテクノロジー時評Ver2」なぜ、Youtubeは著作権侵害コンテンツをポルノと同じようにシャットアウトできないのか?は、なかなか興味深く、かつ難しい問題であると思う。コメントに寄せられたように、ポルノというのは、楽しむ人がいる一方で、不快に思う人も多いコンテンツとなるが、著作権侵害というのは、著作権保持者以外に不快に思う人が少ない、というのも当てはまるだろう。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ