マイクロソフト、「BizTalk Server」5世代目でRFID市場に本格参入

マイクロソフトは、RFID機能を搭載したビジネスプロセス管理および業務システム連携製品の最新版を発表し、日本におけるRFID市場に本格参入することを明らかにした。

» 2007年10月09日 19時19分 公開
[藤村能光,ITmedia]

 マイクロソフトは10月9日、ビジネスプロセス管理(BPM)および業務システム連携製品の最新版「Microsoft BizTalk Server 2006 R2」の日本語版を発表した。同ミドルウェアにより、マイクロソフトは日本のRFID市場へ本格参入する。

 2000年に発売された「BizTalk Server 2000」から数えて5世代目のBizTalk Server製品となるBizTalk Server 2006 R2では、第4世代の「BizTalk Server 2006」で追加されたBPM機能とSOA(サービス指向アーキテクチャ)/ESB(Enterprise Service Bus)機能に加え、新たにRFID(Radio Frequency Identification:無線ICタグ)ミドルウェア機能を備えたのが特徴。異種のRFIDデバイスの一元管理に対応し、デバイスベンダーやユーザーは簡単にソフトウェアを連携できる。RFIDデータの読み取り段階で工数の削減も可能となった。

 「問題に反応するのではなく、前もって手を打つことができる」――Microsoftのコネクテッドシステムズディビジョン、パートナー戦略担当のダン・オーリング氏は、RFIDの機能実装による効果をこのように説明した。コスト効率の良いRFIDの実装や、RFIDリーダの追加が容易に行えるほか、製品不足や誤った出荷など、サプライチェーン上における課題をデータとしてリアルタイムに取り出し、対応することもできる。

 同製品は、プロセス管理テクノロジーを電子データ交換 (EDI)やAS2などの機能と合わせて拡張したり、.NET Frameworkテクノロジーの「Windows Workflow Foundation」や「Windows Communication Foundation」などと組み合わせることができるなど、さまざまな連携に対応している。2007 Microsoft OfficeシステムやWindows Vistaに加え、SharePoint Serverとの連携もできる。

image Microsoft BizTalk Server 2006 R2は多彩な接続用アダプタを備えている。社内外におけるさまざまなシステムと連携できることが強調された。

 「複数のプラットフォームとシステム、そしてパートナーをシームレスに統合しなければならない。BizTalk Server 2006 R2は、さまざまなデータを取り出し、組み合わせ、必要なデータを作り出すことができる」(オーリング氏)

image 「相互接続性を1つのボックス内に収めた」と新製品のコンセプトを説明するダン・オーリング氏

 参考価格は、最上位の「Enterprise」が699万円、中位の「Standard」が198万円、下位の「Branch」が34万6000円、開発者向けの「Developer」が11万7000円となる(それぞれ税抜き)。

 また、日本におけるBizTalk Server 2006 R2のビジネス戦略が発表された。現在インテグレーションサーバ市場の規模は約200億円前後、今後5年間で10倍以上のサーバ出荷量が見込まれる成長市場だ。

 同社は、BizTalk Server製品をパッケージではなく、BizTalk Serverを組み込んだプラットフォームをソリューションとして提供する考えを明らかにした。BizTalk Serverの開発や運用テストを行うバーチャルラボや、BizTalk Serverの基礎を学ぶオンラインワークショップの提供などを通じて、パートナー企業を支援する。

 記者発表会では、マイクロソフトがトッパン・フォームズと共同で汐留(トッパン・フォームズ内)に開設した「RFID .NET Solution Center」が紹介された。各種リーダやライタを使ったRFID通信特性の検証やハンズオントレーニングの受講、各種ICタグの閲覧などができる。

image RFID .NET Solution Centerでは、RFIDを活用した店舗のデモを見ることができる
image さまざまな形態のICタグが展示されている

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