Microsoft、BPMのためのアライアンス結成

Microsoft Business Process Allianceは、比較的安価なBPM技術の選択肢を企業に提供することを目的とする。

» 2007年02月28日 16時26分 公開
[Renee Boucher Ferguson,eWEEK]
eWEEK

 米Microsoftは「Microsoft Business Process Alliance」を結成し、Windows Workflow Foundationの重要な標準「Business Process Execution Language」を含むビジネスプロセス管理(BPM)リリースのロードマップを公開することで、BPMに磨きをかけている。

 同社は2月26日、サンディエゴで開かれたGartner BPM Summitで、約10社で構成される、MicrosoftのBPMプラットフォーム上でBPM機能を構築するための団体Microsoft Business Process Allianceを結成したと発表した。

 参加企業は、IDS Scheer(SAPおよびOracleの主要なプロセスモデリングパートナー)、Fair Isaac、Global 360、Metastorm、Ascentn、SourceCode Technology Holding、AmberPoint、InRule、PNMsoft、RuleBurst。

 この団体の目標は、比較的安価なBPM技術の選択肢を企業に提供することで、特に中小企業において、BPMを配備する上での障壁を打破することにあるとMicrosoftの担当者は言う。

 「BPM分野は大規模企業とそれ以外という、古典的な持てるものと持たざるものの世界になった」とMicrosoftのコネクテッドシステム部門製品管理ディレクター、スティーブ・マーティン氏は発表文で述べている。

 「Business Process Allianceの結成は、大きな変化をもたらすBPM技術をこれまでよりも幅広い顧客が採用する素晴らしい機会となる」(同氏)

 MicrosoftがBPMのコストを引き下げる方法は、これら企業のニーズを統合して、自社のBPMプラットフォームでプロセスを自動化するというものだ。

 このプラットフォームは主に、BizTalk ServerとOffice SharePoint Server 2007で構成されている。BizTalk Serverはシステム中心のプロセスとルール向けの機能を持ち、SharePoint Server 2007は文書コラボレーション、(SharePoint Designerの)ワークフロー設計、WordとExcelを含む2007 Office Systemとの統合を通じたヒューマントゥーヒューマン、ヒューマントゥーシステム機能を有する。

 MicrosoftがBusiness Process Allianceを通じて取り組もうとしているほかの分野は、プロセスモデリング、分析、ビジネスルール管理、人間中心のワークフロー、プロセスシミュレーション、SOA(サービス指向アーキテクチャ)ライフサイクル管理などだ。

 同社はまた、BPEL 2.0採用ロードマップでの実行処理に、標準ベースのアプローチを取っている。これはBPELの(.NET Framework 3.0の一部である)Windows Workflow Foundationへのインポートとエクスポートを可能にする。

 Workflow Foundation(WF)はちまたで考えられているのとは違って、ソフトウェア製品ではない。

 むしろこれは、Windows上でワークフロー対応ソフトを構築するためのプログラミングモデル、エンジン、ツールだと、Windows WFテクニカルプロダクトマネジャー、ポール・アンドリュー氏はブログで述べている。

 これはソフト開発者に、プロセスあるいはビジネスロジック実行のための、.NETコードに統合されたモデル駆動型ツールを提供する。

 Microsoftは2007年第3四半期に提供される2006 R2リリースの一環として、WFとBizTalkの統合を強化する計画だ。

 同社は3月に、WF向けのBPELアクティビティセットをリリースする。これはBPEL 1.1仕様を実装する。

 WF向けBPELの最終リリースは第4四半期に予定されており、OASIS BPEL 2.0標準を実装する。

 プロセス管理は新しいコンセプトではない。20年ほど前からあった。だが新しい自動化機能とSOAの登場で、機能もプロセス自動化、実行、管理へのフォーカスも高まった。

 また主要アプリケーション・統合ベンダーはBPM機能を自社の技術スタックに追加し始めた。

 SAPはIDS Scheerと以前から提携しており、IDSのArisモデリングプラットフォームを自社のNetWeaverに統合している。

 Oracleも同様に、日は浅いもののIDS Scheerと提携しており、ArisをFusion Middlewareに統合することを考えている。

 IBMは最近、WebSphereの統合・プロセス管理機能を補完するために、コンテンツ中心のワークフロー機能を提供するFileNetを買収した。

 BEAは昨年、BPM機能のためにFuegoを買収した。

 BPELは、OracleがFusion Middleware向けのBPELエンジンを開発していることからも分かるとおり、プロセス実行標準としても台頭している。

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