KDDIがau新端末8機種を発表、携帯電話向けガジェットも開始

KDDIは、au携帯電話の秋冬モデル8機種を発表した。携帯電話向けガジェットサービス「au one ガジェット」を新たに開始する。

[國谷武史，ITmedia]

　KDDIは10月16日、au携帯電話の秋冬モデル8機種を発表した。ソニーとの提携による音楽サービス「au×Sony MUSIC PROJECT」や、携帯電話向けガジェット「au one ガジェット」を新たに開始する。

au携帯電話の2007年秋冬モデル

　発表された新機種は、音楽機器との連携強化やスリムデザインの採用、有機ELディスプレーの採用モデル拡大など、これまでに提供されてきた端末機能を、さらに進化させたのが特徴。新サービスでは、PCでおなじみとなりつつあるガジェットサービスが導入された。

　新機種のうちハイエンドモデルに位置付けられるのが、東芝製「W56T」、ソニー・エリクソン製「W54S」、三洋電機製「W54SA」、カシオ日立モバイルコミュニケーションズ製「W53H」の4機種。W56TとW54S、W53Hは、いずれもディスプレーにサムソンSDI製のWQVGA（240×400画素）の有機ELを採用。有機ELの高コントラストを生かし、ワンセグなど映像コンテンツの画質を高めた。W53Hは、日立の薄型テレビシリーズ「Wooo」のブランドを冠している。

CDやダウンロードした楽曲を、携帯電話やPC、オーディオ機器、ポータブルプレーヤーで楽しめる

　これらハイエンド機は、KDDIとソニーが新たに開始する音楽サービス「au×Sony MUSIC PROJECT」に対応する。同サービスは、auの音楽サービス「LISMO」とソニーの音楽サービスを連携させ、PC向けソフトウェア「LISMO Port」を利用できる。

　従来は、CDやPCインターネットでダウンロードした楽曲を携帯電話で利用するものだったが、今回のサービスでは従来のスタイルに加えて、携帯電話でダウンロードした楽曲をPC、オーディオ機器、ポータブルミュージックプレーヤーでも利用できるようになる。また、楽曲データばかりでなく、アドレス帳データやメールデータなど端末内データのバックアップ機能も提供される。

　また、この3機種はアプリケーションの動作環境やOS、通信プロトコルなどの共通化を図ったKDDIの新プラットフォーム「KCP＋」を採用した（関連記事）ほか、最大通信速度が上り1.8Mbps／下り3.1Mbpsの「CDMA2000 EV-DO Rev.A」方式およびau one ガジェットサービスに対応する。

当初は19種類のガジェットが提供される予定。ただし、待ち受け画面に常駐できるのは1つだけとなる

　au one ガジェットは、待ち受け画面上に常駐して、メールやブログ、ワンセグ番組情報、乗り換え案内などの機能を利用できる（各機能ごとにガジェットを設定）。また、コンテンツプロバイダー各社からも占いやゲームなどのガジェットが提供されるほか、KDDIではガジェットサービスを一定の条件でオープン化し、コンテンツ提供各社がある程度自由にガジェットを作成、配布できるよう検討していくという。

　このほかの新端末では、厚さが9.9ミリメートルで男性ユーザーの利用を意識した東芝製「W55T」、ワンセグ対応ながら厚さ15.4ミリメートルの京セラ製「W53K」、文字やアイコンなどの拡大表示に対応した東芝製「A5529T」、骨伝導スピーカーを搭載する韓国Pantech製「A1407PT」が発表された。

提携ついてコメントする高橋氏（左）とソニーの吉岡氏

　ソニーとの提携について、KDDIの高橋誠常務は「携帯電話の楽曲ダウンロードとCD・DVD販売が金額ベースで並ぶようになり、PCだけでなくホームオーディオや自動車など、さらに広い生活シーンへの活用が求められている。こうした分野で最も熱心なのがソニーだった」とコメントした。また、ソニーの吉岡浩オーディオ事業本部長は「『もっと音楽を1つに』をコンセプトに音楽を多様な生活シーンで楽しめるサービスを展開したい」と述べた。

　秋冬モデルは11月中旬から順次発売される予定。なお、KDDIは11月12日から新規契約・機種変更のすべてで「au買い方セレクト」（関連記事参照）を導入する。新機種の価格については、「基本的に販売店が決めるが、新制度の移行に伴って混乱を避ける対応も検討する。従来から大きく変動する可能性は低いだろう」（長島孝史コンシューマ商品企画本部長）としている。