チェック・ポイント、データ保護の強化でセキュリティの統合を推進

チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズは、データ保護やメッセージング保護を中心とした2008年までの事業戦略を明らかにした。

» 2007年11月06日 19時34分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 チェック・ポイント・ソフトウェア・テクノロジーズは11月6日、2008年に向けた同社の事業戦略を発表した。従来から強みとするネットワークセキュリティ分野に加え、データ保護やメッセージング保護の分野を強化する。

ギル・シュエッド会長兼CEO

 今回は、日本法人の設立10周年の節目を迎え、Check Point Software Technologiesのギル・シュエッド会長兼CEOが来日した。シュエッド氏は、まず最近のセキュリティ市場動向を説明。企業のセキュリティ対策の実情について、「あらゆる接続環境に対応した高いレベルの対策、複雑性を増すシステムの統合、管理性の向上――の3点が課題。これらに対し、多層的な対策やシステム統合によるスリム化、一元化された管理機能がセキュリティベンダーに求められている」と述べた。

 シュエッド氏によれば、同社の顧客企業では1社当たり平均15社ものセキュリティベンダー製品が導入されているという。「包括的で、シンプルかつ優れた管理性がセキュリティ対策に最も必要とされている」と、2007〜2008年にかけてはセキュリティ環境の統合をコンセプトに、製品展開を行っていくとの考えを明らかにした。

 同社は従来からネットワークセキュリティ分野を強みとしてきたが、「1年前からわれわれに足りない領域を徹底的に考え、データセキュリティとネットワークセキュリティの統合にフォーカスした。移動するデータには絶えず漏えいのリスクがつきまとう。統合化されたセキュリティ環境でデータ保護を実現することが、われわれが取り組むべき課題」とシュエッド氏。

 同社では、2006年11月にノートPCやPDAなどのモバイルデバイスのデータ暗号化/認証ソフトウェアのPointsecを買収している。「まずはモバイルアクセス、エンドポイントの保護を整備し、Pointsecソリューションを完成させる」とシュエッド氏。同時にゲートウェイにおけるセキュリティ機能の強化にも取り組み、メッセージやコンテンツの保護機能を、UTMアプライアンス製品などへ実装していく。Pointsec製品群は2008年前半に拡充し、ゲートウェイセキュリティの新製品を年内に発表する予定だ。

 シュエッド氏は、「われわれは、広範囲なセキュリティの世界をフルにカバーできる唯一のベンダー。次世代セキュリティでも最先端を行く製品、サービスをユーザーに提供する」と語った。

スコット・ファーガソン アジア地域担当副社長

 また、同社でアジア地域を担当するスコット・ファーガソン副社長は、日本市場での展開について「当社顧客の1割以上が日本の企業でありながら、これまで当社の活動を顧客、パートナーへ十分に伝えきれていなかった。これからは対話の機会をより多く持つことで関係を緊密にしていきたい。日本に対する積極的な活動を継続していく」と話した。

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