キャリアが提供するモバイルサイト支援の実力とは?モバイルサイト活用術(1/2 ページ)

携帯電話の高機能化で、モバイルサイトと連携できるサービスが多様化している。こうしたサービスはどのように活用できるのか、NTTドコモに聞いた。

» 2007年11月16日 10時30分 公開
[國谷武史,ITmedia]

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 携帯電話端末の機能を見ると、おなじみの通話やインターネットやメール、アプリケーション以外に、最近では電子マネーやGPS、バーコードリーダーなど、インターネットサービスとの親和性が高い機能が標準として搭載されるようになった。

 これらの機能は、モバイルサイトへの誘導を促進するばかりではなく、会員顧客へ付加価値の高いサービスを提供するためにツールとしても注目されている。だが、こうしたツールを活用しているケースは、数ある企業のモバイルサイトの中でも、ごく一部企業にとどまっているようだ。

キャリアの垣根を越えたキャリアの策

 NTTドコモは今年4月、モバイルサイトを中心とした企業のマーケティング活動を支援する「モバイルデザイン室」を法人営業本部内に立ち上げた。室長の紀伊肇氏は、「モバイルで収益向上を図る企業ニーズが急速に高まる一方で、モバイルサイトを構築しても活用しきれていないケースも目立つ。多様なモバイルサービスの中から顧客企業に最適な方法を提案し、導入後の効果測定と改善までを行うのが当室の役割」と説明する。

紀伊肇モバイルデザイン室長

 モバイルサイトの構築や運用保守においては、さまざまサービスがベンダーから提供されるようになったことで、企業にとってはモバイルサイトを手がけやすい環境が広がりつつある。だが、メールや電子マネー、GPSといったモバイルサイト本体とそれ以外の機能との連携は、具体的なプランや運営ノウハウを含めてハードルが高いというのが実情だろう。

 「モバイルサイトを準備して動かすまではできるが、その先にあるサイトサービスの向上や、ほかのサービスとの連携までも実現できるのは、広告代理店を活用できる一部の企業にとどまる。中堅・中小企業も含め、企業のモバイルサイトサービスに対する投資の

効果を最大化できるようにしていくのが通信事業者の役割の1つ」と、コンサルタントの藤島太郎氏は話す。

 モバイルマーケティング支援の主力サービスとして、NTTドコモはASPサービスの「Mobile Avenue」を展開する。同サービスでは、モバイルサイトのホスティングと、サイト設計・デザイン、集客支援、サイト化石、改善策の提案・実施までを、コンサルティングを含めて包括的に提供する。Mobile Avenueをベースに、電子マネーやGPSなどと連携させたサービスの開発も手がける。

Mobile Avenueサービスの概要

 また、Mobile Avenueはiモードだけでなく、KDDIの「EZweb」やソフトバンクモバイルの「Yahoo! ケータイ」にも対応する。「ドコモユーザーの会員向けサービスとの連携など、当社ならではの部分もあるが、他社のユーザーが利用できるものでなければならない」(紀伊氏)という。

 Mobile Avenueの導入例では、メールやGPSサービスとも連携させた東京ドームのモバイル会員向けサイトがある。東京ドームでは、今年4月に従来の会員向けモバイルサイトを一度閉鎖した。「約10万人の会員登録があったが、観光客が一時的に利用するケースが大半で、モバイルサイトが十分に利用されていなかった」(藤島氏)。そこで、日常的に利用される会員サイトとすることを目的に、まずMobile Avenueを利用して3キャリア対応のモバイルサイトを再構築した。

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