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» 2008年01月16日 08時00分 UPDATE

今日から学ぶCOBIT:見栄を張らずに、プロセス成熟度を測定 (1/3)

COBITのプロセスは、どのような形で説明されているのだろうか。

[谷誠之,ITmedia]

このコンテンツは、オンライン・ムック「運用管理の過去・現在・未来」のコンテンツです。関連する記事はこちらでご覧になれます。


 これまでも解説してきたとおり、COBITでは4つのドメインに対して34のプロセスで「なすべきこと」を説明している。この説明が(賛同できるかどうかは別にして)非常に分かりやすい。COBITそのものは参考にしなくても、この「まとめ方」だけでも参考にしたい。

 各プロセスは4ページ単位(場合によっては5ページ、6ページにまたがることもある)にまとめられている。これは「各プロセスが4つの視点で説明されている」ということである。その4つの視点とは、次の通りである。

  • コントロール目標 −概要−
  • コントロール目標 −詳細−
  • マネジメントガイドライン
  • 成熟度モデル

 すべてのプロセスは、この4つの観点で明瞭に記述されている。

 今回は、COBITにおけるプロセスのポイントを学習していこう。例として、PO(計画と組織)の最初に紹介されている「PO1 IT戦略計画の策定」を挙げながら説明する。

コントロール目標 −概要−

 どのプロセスの説明も「コントロール目標」、すなわちこのプロセスはどのような目標をもって存在しているのか、ということから始まっている。最初に目に入るのは、図1に記した3つの図であろう。

cobit7_1.jpg 図1:プロセスとビジネス要件、ITガバナンスの重点領域、IT資源との関係

 これは、そのプロセスが以下のどこに重要に関係しているか、ということを示している。

  • ビジネス要件の主要な7項目
  • ITガバナンスの重点領域
  • IT資源

 ビジネス要件のP(おそらくPrimaryの略)は最も関係していると考えられる要素、S(おそらくSecondaryの略)は副次的に関係していると考えられる要素である。「PO1 IT戦略計画の策定」プロセスは、有効性に最も関係し、副次的に効率性に関係しているということになる。ITガバナンスの重点領域に関しても同じである。

 マークが付いていない項目についてはまったく関係していないわけではない。あくまでも優先順位の問題である。ITガバナンスを考慮すると決めたところで、34個のプロセスをすべて一度に導入はできない。最初はいくつかのプロセスを選択して導入することになるだろう。その際、例えば「ウチの会社はビジネスの有効性を上げることに焦点を当てよう」と決めたのであれば、PO1の導入はそれに貢献するだろう、と読める。

 次に、コントロール目標がウォーターフォール式に述べてある。すべてのプロセスは、次の形式で説明されている。

A:〜のコントロール目標は、

B:〜〜をビジネス目標とし、

C:重点を置くべきコントロールは、〜〜である。

D:実現するための手段は、〜〜である。

E:その成果の測定指標は、〜〜である。

 上では、何が目標で、そのためになすべきことは何で、成果を測定するためにはどこを見ればよいか、ということが簡潔に述べられている。「PO1IT戦略計画の策定」プロセスでは、次のようになっている。

A:IT戦略計画の策定のコントロール目標は、

B:便益、費用、リスクに関わる透明性を高めるとともに、ビジネス戦略やガバナンス上の要件を不断に維持し、もしくは発展させることを、ビジネス要件とし、

C:重点をおくべきコントロールは、ビジネス要件を満たすために、どのようなサービスを提供するかという検討に際して、ITとビジネスのマネジメント層が連携すると同時に、サービスを実現するために、透明性が高く、効果的な方法により戦略を策定することである。

D:実現するための手段は、次の3項目である。

  • ビジネス部門管理者およびマネジメント層と協議し、IT戦略計画と、現在および将来のビジネス上の必要性との整合を確保
  • 現在のITに関する能力の把握
  • ビジネス要件を定量化するためのビジネス目標の優先順位を決定するスキームの規定

E:その成果の測定指標は、次の3項目である。

  • IT戦略計画のうち、ビジネス戦略計画の達成を支援するIT目標の割合
  • lTプロジェクトのポートフォリオに挙げられたプロジェクトのうち、lT戦術計画を直接のよりどころとするものの割合
  • IT戦略計画の更新がIT実行計画に反映されるまでのタイムラグ

 もっとも、この記述はどんな企業にも当てはまるよう汎用的に書かれているので、それぞれの会社の実情に合うように「翻訳」しなければならないのだが。

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