Lotus Notes and Dominoの次期版では、人気上昇中のウィジェットを採用するとともに、新たなアプリケーション開発方式をサポートする。
IBMが2007年8月に「Lotus Notes 8」を出荷したとき、その新しいユーザーインタフェースにより、ユーザーのメールボックスが有用な統合ワークスペースになったと同社の技術者たちは胸を張った。電子メール、予定表、インスタントメッセージング、オフィスプロダクティビティツール、各種コラボレーションアプリケーションがメールボックスに統合されたのである。
ユーザーからのフィードバックも好意的だったこともあり、IBMは「Lotus Notes and Domino 8.0.1」でこの統合をさらに進める考えだ。この製品は、MicrosoftのコラボレーションスイートのSharePointとプロダクティビティスイートのOfficeへの対抗を狙ったもので、Notesクライアントのサイドバーにウィジェットが表示されるのが特徴だ。Notes/Domino8.0.1は、2008年2月にリリースの予定。
GoogleのGadgetsライブラリによってポピュラーになったウィジェットは、ニュース配信や株価などの情報を小さなポップアップウィンドウで表示する軽量なアプリケーションで、有益な情報や楽しい機能を控え目に提供することを目的とする。
ウィジェットの人気が高いのは、技術に詳しくないユーザーでも、既存のアプリケーション内に簡単に取り込むことができ(ドラッグ&ドロップで取り込める場合もある)、従来のソフトウェアダウンロードのように時間や労力をかけなくても済むからだ。
IBMの「My Widgets」機能は、「Live Text」と呼ばれるIBMの機能を使ってパターンやフレーズを検索し、それを適切なウィジェットに関連付ける。
「ユーザーはGoogle Gadgets、ニュース配信、Webページなど各種のウィジェットを、Lotus Notesのサイドバーにある新しいウィジェットパネルにドラッグ&ドロップで取り込むことができる」――IBMでLotus Domino製品を担当するプログラムディレクターのペニー・シャーフマン氏は1月21日、フロリダ州オーランドで行われた記者会見でこのように説明した。
Live TextはURLに似ており、電子メールの本文内でテキストがハイライトされ、下線が付けられる。例えば、マネジャーが電子メール内で購入注文番号をクリックすると、注文の処理状況がリアルタイムで表示されるといった具合だ。これは、ユーザーがLotus Notesから抜けなくても、ほかのサイトに置かれている情報を見つけられるようにするのが目的だ。
IBMでは、Lotus Domino 8.0.1で「IBM Lotus Notes Traveler」という機能も予定している。シャーフマン氏によると、Travelerは電子メールのプッシュ配信技術で、添付ファイル、予定表、アドレス帳などの電子メール情報をMicrosoft Windows Mobile搭載ワイヤレスデバイスに自動的にコピーするという。
ビッグブルーでは、そのほかにも8.0.1用に多数の追加機能を予定している。例えば「Domino Web Access Lite Mode」は、ドキュメント圧縮アルゴリズムを使用することにより、Lotus Notesのデータをダイヤルアップなどの低速インターネットコネクション経由でも送信できるようにする。「Mail Quota」は、割り当てられたメールボックス容量をユーザーに通知する機能。また「Reply Without Attachments」機能がデフォルト設定になるほか、IBMのドキュメント管理ソフトウェア「Lotus Quickr」用のサイドバープラグインも追加される。
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