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» 2008年01月24日 01時45分 UPDATE

Programing Bible:GWT――Web構築に新機軸をもたらす開発ツール (1/3)

Googleが提供しているようなユーザーフレンドリな諸機能を備えたWebサイトを自分で作成してみたいが、必要なプログラミング作業を考えると気が滅入るという心理状態の方がおられたら、Google Web Toolkitの利用を検討してみてはいかがだろう。

[Federico-Kereki,Open Tech Press]
SourceForge.JP Magazine

 ページの再読込み不要でスムースな移動のできるGoogle Mapsや洗練されたGmailのルックアンドフィールに魅了されてしまったユーザーは多いが、あなたもその1人ではないだろうか? そして、こうしたGoogleのユーザーフレンドリな諸機能を織り込んだ独自のWebサイトを自分で作成してみたいが、必要なプログラミング作業を考えると気が滅入るという心理状態の方がおられたら、Google Web Toolkit(GWT)の利用を検討してみてはいかがだろう。

 GWTとは、2006年5月のJavaOneカンファレンスで最初のお披露目がされたばかりのWebプログラミングツールである。登場してからの歴史は浅いながらも、現行のバージョン1.4.61は既に十分な完成度に到達しており、2008年の第1四半期にはバージョン1.5のリリースが予定されている。なおライセンスはApache License 2.0の適用下で公開されているが、一部のコンポーネントはほかのライセンスが適用されているので、その点は注意が必要だ。

GWTを推薦できる理由

 最近のWebアプリケーションはダイナミックな挙動を示すものが多いが、その分だけ制作者側の負担もかなりのレベルに達している。しかも既存のブラウザ間には数々の非互換性があるため、これからはじめて開発活動をスタートする場合は、そうしたギャップを埋めるためのコードを記述する必要もある。そうしておかないと、Mozilla Firefoxでは意図どおりに表示されたがInternet ExplorerやSafariではまったく機能しないというサイトができ上がってしまうかもしれないからだ。実際Web開発者からすると、サイト本来の機能の構築よりもこうした互換性を確保するための検証作業の方に時間を取られるのが今ではかえって普通なのである。

 またサイトをインタラクティブ化するにはJavaScriptを使用する必要があるが、この言語は機能的には強力だがモジュール性やテスト機能に欠けているため、規模の大きいシステムを構築する際には各種のトラブルに遭遇することになる。そのほかにもWebデザインにはHTMLおよびCascading Style Sheets(CSS)の知識が不可欠だし、Webサービスを構築するにはPHPやJavaなどの本格的なプログラミング言語も使用しなければならない。またDynamic HTML(DHTML)を必要とするサイトも多いが、その場合はページを記述するソースコード本体をその場その場で変更させなければならず、こうした要件についても互換性の問題は生じてくる。そして最後に、インターナショナルなサイトを構築する場合は複数言語に対応させることになるが、これも開発の手間を増やす一因となる。

GWT GWT

 Java開発時におけるこうしたもろもろの問題を解消してくれるのがGWTであり、このプログラミングツールを構成しているのが、コード開発用のEclipseおよびNetBeans、クラス設計用のUnified Modeling Language(UML)ツール、パフォーマンス最適化用のJProfiler、自動テスト用のJUnit、ドキュメント整備用のJavadocといったツール群である。これらのツールは、キーボードのタイプミスや変数型の不一致といった一般的なエラーを回避するのに役立つだけでなく、リファクタリングによるコードの品質向上にも寄与してくれる。

 アプリケーションの実行とデバッグはHostedモードで行うことになるが、これは開発中のプログラムを Java Virtual Machine(JVM)上のJavaコードとして実行させることで、各種のデバッグ用ツールを利用可能とするための措置である。その後デバッグの終了したプログラムは、JavaScriptおよびHTMLに変換してWebモードで実行させることになるが、このモードでは実際のエンドユーザーが扱う場合と同様の動作を検証できるようになっている。

 このプロセスにおいて開発者は、HTMLおよびJavaScriptの扱いについて特別な注意を払う必要はない。GWTは、Javaから JavaScriptにコンパイルする際に互換性問題もすべて対処してくれるので、最終的に完成するサイトはどのブラウザを使ってもまったく同じように表示されるのである。そのほかにもGWTはAJAXの使用を簡単化してくれるため、WebサービスがJavaで記述されているか否かを問うことなく気軽にアクセスできるようにしてくれる。

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