スパムはどこから来るの? 「イマドキの日本語スパム」(1/4 ページ)

スパムとの戦いを続ける日々、とうとうスパムの送信元を突き止めるという行為に出た筆者。さて、その送り主とは?

» 2008年01月31日 00時00分 公開
[小林哲雄,ITmedia]

Yahoo!の標準フィルタの効能は?

 筆者がYahoo!メールを使って確保している「ハニーポット」のスパムメールを、一念発起(?)してすべてローカルマシンに取り込んでみた。こう書くとかなり大げさだが、Webメールの場合、ローカルにまとめて保存するというのが意外と面倒くさい。

 Yahoo!メールはPOP3で受信可能だが、その場合「受信フォルダのみ」という制約があり、ユーザーフォルダに入っているメールはPOPで受信できない。このため、いったんユーザーフォルダから受信フォルダにメールを移動する必要があるのだが、Yahoo!メールのページにおける最大表示数は200までで、フォルダの内容をすべて一度で移動する手段がない。

 2000通のメールが入っているユーザーフォルダからこれらをすべて受信するためには、10回以上「すべて選択→移動」の作業をする必要がある。とても虚しい作業だが、手元にメール本文を取得したため、今後、いろいろいな分析をすることが可能になった。Yahoo!メールにおけるスパム判定率について以前掲載した表は、未読メールで判断していたためいい加減だったので、これを再度まとめてみた。スパムを100%阻止ということはあり得ないものの、始めた当初とメール数の少ない最初の2カ月を除けば、まあそれなりの阻止率になっていることが分かる。ちなみにYahoo!メールでは、一度迷惑メールフォルダに入ったメールには「X-YahooFilteredBulk:」というヘッダが入っているため、これで迷惑メール判定されたかどうかの判断基準にしている。

筆者ハニーポットアカウントのYahoo!メールフィルタ誤判定率
年月 総数 判定 漏れ 漏れ率
0503 21 17 4 19.0%
0504 57 44 13 22.8%
0505 61 60 1 1.6%
0506 82 74 8 9.8%
0507 104 102 2 1.9%
0508 299 294 5 1.7%
0509 678 661 17 2.5%
0510 899 879 20 2.2%
0511 639 637 2 0.3%
0512 241 239 2 0.8%
0601 402 400 2 0.5%
0602 418 417 1 0.2%
0603 435 433 2 0.5%
0604 314 311 3 1.0%
0605 433 432 1 0.2%
0606 455 421 34 7.5%
0607 596 593 3 0.5%
0608 492 487 5 1.0%
0609 376 368 8 2.1%
0610 260 253 7 2.7%
0611 308 300 8 2.6%
0612 523 505 18 3.4%
0701 477 467 10 2.1%
0702 547 522 25 4.6%
0703 688 671 17 2.5%
0704 645 633 12 1.9%
0705 874 860 14 1.6%
0706 1001 990 11 1.1%
0707 1541 1481 60 3.9%
0708 1508 1476 32 2.1%
0709 1586 1561 25 1.6%
0710 2035 2001 34 1.7%
0711 2503 2452 51 2.0%
0712 2095 2023 72 3.4%
総計 23593 23064 529 2.2%

 なお、2008年1月のスパムメールは25日16時現在1210通(うちフィルタすり抜け40通)。今月の残りもあるが、去年11月の2500通からすると半減と言ってよいほどの急減ぶりだ。日本におけるスパムが減っているのか、送りつけているスパマーが止めたのか逮捕されたのか、ここ数回の原稿で「あのメールアドレスはハニーポット」とバレたのか分からないが、ほかのアドレスに大量のスパムが届いているところを見る限り前者は残念ながら考えにくい。また、去年の同時期も減少しているため「正月は送信お休み」なのかもしれない。ずっと休んでくれていていいのに……。

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