スマートフォン向けOS大手の英Symbianの調査担当副社長のデビッド・ウッド氏が、スマートフォンに関する2008年の20のトピックスを占う。後半はスマートフォンとビジネスがテーマだ。
ユーザーが自分の携帯電話で新しいサービスを受ける方法には、基本的に次の3つがあります。
最後の2つの方法に関して、2008年には重要な進展があるでしょう。
過去数年間、ビジネス目的でのスマートフォンの利用は全体的なスマートフォン利用の成長に追いついていけませんでした。消費者が企業よりもすばやくスマートフォンを取り入れていたのです。しかし、そうした状況も今まさに変わろうとしています。
携帯電話が社内の卓上電話に取って替わりつつある中、重要度を増している企業向けモバイルアプリケーションの一つに、「Unified Voice(音声の統合)」があります。米Gartnerによる最近のリポートによると、ビジネスユーザーは携帯電話をビジネス上の主要なコミュニケーション手段としてみています。
企業内PBXシステムのサービスでは、卓上電話の替わりに携帯電話を使うようになってきており、社員に両者の最も良いところを提供しています。選択肢が増え、消費者が公私両方におけるメディアとして一つのデバイスを使用するようになる中、スマートフォンはそのための完璧なツールとなるでしょう。
スマートフォンは、金融・バンキングサービスや医療、保険、製造、政府、あるいは運輸など、さまざまな業界分野で使用されていますが、Nokiaの法人向けサイトでは、その事例が豊富に掲載されています。例えば、ドイツのトラクター製造業者ではすべての社員にSymbian OS搭載のスマートフォンを支給しています。社員は、電子メールやボイスメッセージだけでなく、オフィスへの出入りコントロール(入退室管理)にも電話に内蔵されたBluetooth技術を使用しています。
スマートフォンがプライベートとビジネスの両目的で使用されるようになると、スマートフォンと相互接続して動作する高度な周辺機器が、より広範な製品領域でユーザーの関心を呼ぶことになるでしょう。こうした周辺機器には、ヘッドセット通話機やプロジェクタ、プリンタ、(折りたたみ式の)Bluetoothキーボードなどがあります。
同様に、VPN接続やスマートフォン上での「リモートワイプ(遠隔操作による端末データの消去)」などのネットワークセキュリティメカニズムがさらに普及することで、スマートフォンの企業データシステムへの接続性も高められていくでしょう。
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