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» 2008年02月23日 00時00分 UPDATE

FASTfoward '08 Report:MSが認めたFASTのサーチテクノロジーとビジョン

Fast Search & Transfer(FAST)は今週、米国フロリダ州オーランドで年次イベント「FASTfoward '08」を開催。同社およびMicrosoftが、買収の経緯や今後の製品について明らかにした。

[栗原潔,ITmedia]

 ノルウェーの大手サーチエンジンベンダーであるFast Search & Transfer(FAST)は今週、米国フロリダ州オーランドにおいて年次イベント「FASTfoward '08」を開催した。Microsoftによる買収がほぼ確実となっていることも影響してか、1300名以上という過去最高の来場者を集め、サーチテクノロジーに対するユーザーの関心が依然として極めて高いことがうかがわれた。

 本開催に先立つプレイベントのインターナショナル向けプログラムでは、FAST CEOのジョン・マーカス・レルビック氏によって、Microsoftによる買収の最新情報が公表された。各国の当局による承認という最終ステップが残されているが、今年の第2四半期のはじめには買収が完了することがほぼ確実と見てよさそうだ。

 買収後は、FASTのサーチテクノロジーはMicrosoftのSharePoint Serverの一機能として統合されるとともに、現在と同様に独立した製品として、すなわち、Microsoftのサーバソフトウェア製品と同列の製品としても提供される。また、FASTはMicrosoftの完全な子会社として事業を継続する予定だ。FASTの主要経営陣もすべて同社にとどまる。「一部の人が、FASTはMicrosoftに完全に取り込まれてしまうのではと見ているようだが、まったく正しくない」とレルビックCEOは述べた。

レルビック氏 FAST CEOのジョン・マーカス・レルビック氏

 Microsoftが提供するLive Searchに対してFASTのテクノロジーによる強化が行われるかという質問については「可能性はあると考えるが、現時点ではSharePointへの統合が最優先事項だ」というのが同氏の回答。また、FASTの現在のOEMパートナー、VAR(付加価値再販業者)との関係についても「その多くはすでにMicrosoftの良きパートナーでもあり、買収が及ぼす影響はほとんどない」とのことである。

 プリイベントではそのほか、Enterprise 2.0(ブログ、SNSなどのソーシャルソフトウェアの企業内での展開)の概念を提唱した、ハーバード・ビジネス・スクールのアンドリュー・マカフィー教授、そして、ウィキノミクスの著者であるダン・タプスコット氏という業界屈指の識者による講演が行われた。

マカフィー教授 ハーバード・ビジネス・スクールのアンドリュー・マカフィー教授
タプスコット氏 ウィキノミクスの著者、ダン・タプスコット氏

 マカフィー教授は、「今、Enterprise 2.0について最も問い合わせがある案件は、What(Enterprise 2.0とは何か?)ではなく、Why(なぜEnterprise 2.0を採用すべきか?)でもなく、How(Enterprise 2.0を如何に導入すべきか?)である」と述べ、米国企業においてEnterprise 2.0の概念が広く普及し始めていることを訴えた。

 ダン・タプスコット氏の講演テーマにも共通したのは、ユーザー中心型のコラボレーションによりイノベーションが成し遂げられるという点、すなわち、今回のFASTfoward '08のメインテーマである“The User Revolution”そのものである。

 翌日であるイベント初日のセッションには、MicrosoftのSharePoint Server部門のグループプロダクトマネージャであるジャレド・スパターロ氏が登壇し、Microsoftの立場から買収についての説明が行われた。

fastsp04.jpg Microsoft SharePoint Serverグループ プロダクトマネージャ ジャレド・スパターロ氏

 両社が協議を開始したのは、前回のFASTfoward '07の終了直後で、およそ一年にわたり買収に関する議論が行われていたことになる。当初はパートナーシップを想定していたようだが、MicrosoftはFASTのテクノロジー、人材、そして、とりわけビジョンを高く評価し、企業買収という意思決定に至ったようだ。

 Microsoftでは、サーチをきわめて重要なテクノロジーであると考えており、ユーザーに対してローエンド、ハイエンド、そしてインフラストラクチャレベルという3つのカテゴリで提供することが必要であると考えている。そして後の二者については、FASTのテクノロジーを採用することが最適であると判断されたという。

 「両社の合併はMicrosoftにとっても、FASTにとっても、そしてユーザーにとっても大きな意義があるものです」とスパターロ氏は結んだ。

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