東証がシステム障害の再発防止策、役員報酬の減額処分も

東京証券取引所が、2月8日に発生した派生売買システムの障害について再発防止策を発表した。取締役会長の西室泰三氏をはじめとした役員の報酬減額措置も明らかにしている。

» 2008年02月25日 19時36分 公開
[ITmedia]

 東京証券取引所が2月8日に発生した派生売買システムの障害について、システムの品質強化などを柱にした再発防止策を発表した。取締役会長の西室泰三氏をはじめとした役員の報酬減額措置も明らかにしている。

 再発防止措置として、派生売買システムにおける品質強化を図る。柱の1つは業務確認テスト、高負荷テストなどの再実施。今回の障害で起きた事象を踏まえ、立会開始時および立会終了時など処理が変化する状況の前後における業務確認テストや、当該状況下に大量の注文を発注する高負荷テストなどを4月末までに再実施するという。

 また、プログラムロジックの机上検証にも取り組む。障害の原因は、特定の条件下においてメモリ上のワークエリア初期化処理が漏れていたことにあった。そのため、注文受付処理などの主なプログラムについては点検を実施、終了した。さらにすべてのプログラムについても2月末までに机上で確認する。

 障害が発生した注文受付処理や約定処理のプログラムについて、処理ロジックが正常か、処理ロジック漏れがないか、また各プログラム間のデータ連携について問題がないかの確認を4月末までに実施するとしている。

 東証は、この件に関する処分も発表した。取締役会長の西室泰三氏、代表取締役社長 の斉藤惇氏、代表取締役専務の飛山康雄氏、常務取締役(システム本部長)の鈴木義伯氏に対し、月額報酬の10%減額を1カ月間実施する。

 また、常務取締役の鈴木義伯氏、IT開発部売買システム部長の広瀬雅行氏に対し、厳重注意の処分を下した。

関連キーワード

テスト | 富士通


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ