東証システム障害、原因は富士通の項目記載漏れ

東証が取引を一時停止したシステム障害の原因は、富士通の資料に必要事項の記載漏れがあったため、と東証が発表した。

» 2005年11月07日 20時46分 公開
[ITmedia]

 東京証券取引所がシステム障害で取引一時停止に陥った問題で、東証は11月7日、システム構築を担当した富士通からの資料に必要項目の記載漏れがあり、障害につながったと発表した。

 東証によると、売買システムの注文処理能力を増強した際、市場参加者のデータファイル関連のプログラムにバグが見つかったため、東証が確認した上で富士通が10月9日に修正した。

 10月13日に修正後プログラムを正規登録する際に、富士通が東証側にバグ修正作業の資料を送付したが、必要な項目の一部に記載漏れがあったという。このため正規登録後のシステムに、修正後の正規プログラムと旧プログラムが混在する構成になってしまった。

 10月14〜31日までは旧プログラムが稼働したため障害は起きなかった。だが31日にディスクの圧縮処理を実行したところ、システムが旧プログラムを検知して正規プログラムとの関係を切断。11月1日朝の起動時、参加者関連データとして取得すべき情報とは異なる情報を読み込んでしまい、異常を検知したシステムが停止した、という。

 東証は富士通に記載漏れが生じた原因を明らかにするよう求める一方で、東証自身が内容の誤りを発見できなかったのかなどを検証する必要がある、と陳謝。システム障害時の市場維持機能も必要とし、対応策の導入を検討する方針だ。

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