「iPhone 2.0」で充実する企業ユーザー向け機能

発表会場ではAOLやSalesforce.comの開発者が「2週間で作った」iPhone用AIMや販売ツールのデモを行った。


eWEEK

 Appleは3月6日、iPhoneでのMicrosoft ExchangeのWebメールクライアントのサポートと、主に企業ユーザーから求められていた新機能を提供する計画を明らかにした。

 Appleのスティーブ・ジョブズCEOと幹部らはApple本社で、記者やソフトウェア開発者に対し、iPhone SDK(ソフトウェア開発キット)を6月までに公開し、エンタープライズクラスのアプリケーションの開発をサポートする計画について説明した。

 これにより、サードパーティーの開発者は、Web2.0スタイルのものではない「ファーストクラス」のネイティブなアプリケーションを作成できるとAppleは語った。また、企業ユーザーが最も強く求めていた機能をiPhoneおよびiPod touchでどのようにサポートするかも明らかにした。

 Appleの上級副社長であるフィル・シラー氏は、企業ユーザーがiPhoneに求める機能のトップ10として、プッシュメール、プッシュカレンダー、プッシュコンタクト、グローバルなアドレス帳、Cisco IPsec VPNのサポート、認証・ID管理、無線LANセキュリティ規格「WPA 2/802.1x」への対応、強制的なセキュリティポリシー、多数のiPhoneの一括設定、遠隔初期化を挙げた。

 シラー氏によると、6月リリース予定のiPhoneとiPod touchのシステムソフトの次期アップデートであるバージョン2.0で、これらすべての機能がiPhoneネイティブになるという。

 さらにシラー氏は、Microsoft ActiveSyncプロトコルのライセンスを受けて、iPhoneがMicrosoft Exchageを「ネイティブに」サポートすると語った。同氏はExchangeとの「昔ながらの連携方法」は複雑で信頼性が低かったと語った。従来の方法では、iPhoneでNOC(ネットワークオペレーションセンター)に接続し、次にメッセージサーバに接続し、Exchangeサーバに接続するという手順が必要だった。

 Exchangeのすべての機能がiPhoneのメール、カレンダー、アドレス帳アプリに統合される。iPhoneは複数のメールアカウントを扱えるが、Exchangeのメールアカウントがこうしたアカウントの1つとして加わる。

 AppleのiPhoneソフトウェア担当副社長を務めるスコット・フォーストール氏はiPhone SDKを紹介し、初めてiPhone OSの構造を説明した。Mac OS X同様、基盤にはCore OS、Core Services、Mediaレイヤーがあるが、Mac OS XのCocoaユーザーインタフェースレイヤーではなく、iPhone用に開発したCocoa Touchというマルチタッチ対応のユーザーインタフェースAPIを使っている。

 フォーストール氏によると、Appleの既存のXcode、Interface Builder、Instrumentsと新しいiPhone Simulator(Mac上で「ライブな」iPhoneを再現するソフト)を使えば、開発者はiPhoneおよびiPod touch向けアプリケーションを迅速に作成し、テストし、改良することができるという。

 Electronic Arts(EA)、Salesforce.com、AOL、Epocrates、セガの開発者が、「1人か2人の開発者が2週間で」作ったアプリケーションのデモを行った。EAのゲーム「Spore」やAOLのインスタントメッセージングソフト「AIM」、Salesforce.comの販売ツールなどが紹介された。

 ジョブズ氏は、これらすべてのアプリケーションが「App Store」アプリケーションもしくはiTunes経由でiPhoneおよびiPod touchに直接ダウンロードできるようになると述べた。

 同氏によると、開発者はアプリケーションの販売価格を独自に設定でき、Appleが売り上げの30%を徴収し、開発者はクレジットカード決済処理などに掛かる費用を負担する必要なく残りの70%を得るという。開発者が無料で配布したいアプリケーションは、追加料金なしに無料で配布できると同氏は語った。

 iPhone 2.0アップデートは6月にリリースの予定。iPhoneでは無料で、iPod touchの場合は「わずかな費用」を支払ってダウンロードできるようになる。

原文へのリンク

Editorial items that were originally published in the U.S. Edition of “eWEEK” are the copyrighted property of Ziff Davis Enterprise Inc. Copyright (c) 2010. All Rights Reserved.




キャリアアップ



エンタープライズ・ピックアップ

news004.jpg 世界で勝つ 強い日本企業のつくり方:利用契約の検討――グローバルクラウドで失敗しないために(前編)
2010年以降、クラウドサービスの利用がさらに加速する。サービスを利用する企業はプロバイダーのデータセンターに預けた自社情報を保護するために、法的な要素を理解しておかなければならない。企業が注意を払うべき法的な検討事項を整理する。

news001.jpg IT投資の新方程式:「Twitter使ってます」――現役MS社員が“社員力”を語る(前編)
マイクロソフトが掲げるプロモーションメッセージ「社員にチカラを。ITで企業力を。(以下、BIEB)」からは、ITで社員の生産性を向上することが業績の拡大につながる、といったニュアンスを感じる。そこで気になるのが「じゃあ、マイクロソフトの社員自身はどうなのよ?」ということ。3人の現役MS社員により実態が明らかになる……?

news010.jpg 産業構造を変えるか:「住宅クラウド」の衝撃
住宅都市工学研究所が進める「住宅クラウド」は、クラウドが企業のIT領域にとどまらず、ビジネスのやり方自体を変える可能性を示している。

news010.jpg オルタナティブな生き方 栗原進さん:ネットでリアルを楽しくしたい
SE出身の企業広報マンでありながら、趣味は落語で憧れの人はインディ・ジョーンズとアナログ全開の栗原さんに、ブログを書く理由やネットからはじまるコミュニケーションについて伺った。

news001.jpg 最強最速アルゴリズマー養成講座:トップクラスだけが知る「このアルゴリズムがすごい」――「探索」基礎最速マスター
プログラミングにおける重要な概念である「探索」を最速でマスターするために、今回は少し応用となる探索手法などを紹介しながら、その実践力を育成します。問題をグラフとして表現し、効率よく探索する方法をぜひ日常に生かしてみましょう。