ジュニパー、セキュリティ機能を強化した新OSをリリース

ジュニパーネットワークスは、ファイアウォール機能を強化したルータOSの最新版を発表した。

» 2008年03月18日 15時45分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 ジュニパーネットワークスは3月18日、ステートフルインスペクション機能を搭載するルータOSの最新版「JUNOS 9.0」を発表。新OSを採用した小型ルータ製品「Jシリーズ」4モデルを発売した。

 JUNOS 9.0は、同社のセキュリティアプライアンス向けOS「ScreenOS」の持つステートフルインスペクション機能をJUNOSに統合した。これにより、トラフィックのパフォーマンスを維持しつつ、セキュリティを強化でき、運用コストなどのTCO削減などの効果も期待できるとしている。

小澤氏

 第二技術本部の小澤嘉尚本部長は、「JUNOSの持つルーティングやスイッチング性能に、ScreenOSの信頼あるセキュリティ機能を加えることでセキュアルーティングサービスを提供する」と説明した。

 新OSを搭載するのは、「J2320」「J2350」「J4350」「J6350」の4モデル。ステートフルインスペクション機能のほか、従来型のパケットフィルタリングファイアウォール、IPSec VPN機能を搭載する。設置場所に応じてトラッフィックのパフォーマンスまたはセキュリティ機能のいずれかを優先するといった運用にも対応できるという。価格はオープンで、保守サービス契約の既存ユーザーは無償でアップグレードできる。

今後のOSは「JUNOS」が主役になっていく

 同社では、将来的に各種製品のプラットフォームをJUNOSに統合していく方針だ。これにより、ネットワーク全体のTCO削減やサービス強化などを実現できるという。「OSを1つにすることで運用性が高まり、(管理者の)教育を含めたTCO全体を削減する。その分を新たな投資に回すことができ、予算不足という企業のIT投資の課題解決に貢献できるだろう」(小澤氏)

機能から見たScreenOSとJUNOSのすみ分け

 今後は、ScreenOS持つUTM(統合脅威管理)機能を年内を目標にJUNOSへ実装していく。だが、ScreenOS自体は今後も継続するとしており、「JUNOSの最大の特徴は信頼性であり、一気に統合せず信頼が確認できたものを少しずつ追加していくイメージ。ScreenOSもセキュリティ専用OSとして進化を続ける」と小澤氏は述べた。

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