ITは、分かっているようで意外と説明できないことの集合体であり、それゆえにITに対するあこがれは尽きることがない。本連載では、IT業界に眠るそれらの謎を文字通り徹底的に調査する。第1回の後半では、PCのネットワーク処理能力を調査してみよう。
ネットワークスイッチのスループットを調査せよ【前編】で解説したとおり、一般的なL3スイッチは理論どおりのフレーム処理能力を持っていることは分かった。しかし、スイッチがいくら高速でも、それに接続される端末が遅ければ意味がない。そこで、今回はPCのネットワーク処理能力を調べてみよう。
ただし、PCのネットワーク能力の測定というのは、OS側のパラメータ設定などに依存するため簡単には行えない。そこで、今回はPCに2枚のNICを差してPCルータとなるように設定し、その処理能力を測定することでPCのネットワーク処理能力の一端を調べてみることにした。そのため、ここで測定した結果というのは、あくまで「PCをルータとして使用した場合のフレーム処理能力」であることに留意していただきたい。
PCルータの処理能力測定には、前回と同様にRFC 2544に基づくスループットおよびレイテンシテストを行った。また、同一のPCに対しWindows XP Professional(SP2)、FreeBSD 5.4 RELEASE、Linuxカーネル2.4.27および2.6.8(ディストリビューションはともにDebian GNU/Linux)の4つの異なるOS環境をインストールし、それぞれテストを行ってOSの差異によるフレーム処理能力を比較してみよう。なお、PCのスペックは以下のとおりである。
構成要素 | 内容 |
---|---|
CPU | Pentium 4/3GHz、HT対応 |
チップセット | Intel 865G |
メモリ | 512Mバイト |
NIC | Intel PRO/100 S(10/100BASE-TX)×2 |
OS | Linuxカーネル2.4.27 (Debian GNU/Linux 3.1 "sarge") Linuxカーネル2.6.8 (Debian GNU/Linux 3.1 "sarge") FreeBSD(5.4-RELEASE) Windows XP Professional(SP2) |
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