日本には1%もないが、犯罪者たちは経済大国を狙っている。
G DATA Softwareは、ボットなどに感染した「ゾンビPC」の世界分布を発表した。感染PCの約4割が欧州に集中し、アジア全体は2割未満となっている。
ゾンビPCは、迷惑メールの大量送信やDDoS(大規模サービス障害)攻撃を仕掛けるボットに感染したPC。犯罪者は十分な管理がされていないPCを乗っ取り、遠隔からボットを操作して攻撃を仕掛けるといわれる。
調査の結果、ゾンビPCの大部分は欧州に所在し、ドイツとイタリアがそれぞれ10%を占め、以下6位ポーランド(6%)、7位スペイン(5%)で、欧州全体では43%となった。アジア全体では17%となり、上位国は5位中国(6%)や10位インド(4%)となった。日本は0.1%に満たないという。また、毎日稼働するゾンビPCの台数は約35万台で、ピーク時には70万台以上が稼働していると同社では推測している。
順位 | 国名 | 割合 |
---|---|---|
1 | ドイツ | 10% |
2 | イタリア | 10% |
3 | ブラジル | 8% |
4 | トルコ | 8% |
5 | 中国 | 6% |
6 | ポーランド | 6% |
7 | 米国 | 5% |
8 | ロシア | 5% |
9 | スペイン | 5% |
10 | インド | 4% |
同社によれば、ボットを取り扱う組織の年間売上は約10億ユーロ(約1500億円)に上ると推測され、ボット拡張が最重要課題になっている。特に西欧はITインフラが整備され、ブロードバンド環境も広がりつつあることから、ゾンビPCの展開にとって最適な場所だと同社では分析している。また、ボット犯罪に必要なバックドアの数は、新たに発見されたものだけでも2007年は約5倍に急増している。
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