組み込み機器でIPsecの暗号化通信を実現、エルミックらが開発

ソフトウェア暗号化処理が主流のIPsecでは通信速度低下のデメリットがある。ハードウェア処理でこれを回避できるという。

» 2008年04月24日 19時24分 公開
[ITmedia]

 エルミック・ウェスコムと富士通マイクロエレクトロニクス、富士通LSIソリューションの3社は4月24日、IPsecの通信を高速化する「ギガビットイーサネット対応 高速IPsecシステムソリューション」を共同開発したと発表。10月からエルミックが商品化する。

 同ソリューションは、既存のネットワーク環境を変更することなく、約600ミリワットの低消費電力で、最大1GbpsのIPsecの通信が可能になるという。企業や公共機関の拠点間でのインターネットVPN通信、医療機器や監視カメラ、電子決済システム、複合プリンタなどで安全性の高い通信をできるようにする。

 富士通マイクロエレクトロニクスのセキュリティプロセッサ「MB86C60」と、エルミックのミドルウェア「KASAGO IPv6(TCP/IP)」「KASAGO IPsec」を組み合わせることで実現した。富士通LSIソリューションが技術支援を行った。

 従来のIPsecの通信では、CPUとソフトウェアによる暗号化処理をする方法が一般的。しかし、CPUへの負荷が大きく、処理時間もかかることために通信速度が大幅に低下するというデメリットがあった。さらに、ミドルウェアとして開発するのにも高度なソフトウェア技術力が求められ、容易には実現できなかったという。

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