「メール送信の怖さを知って欲しい」、クリアスウィフトがSMB市場に本格参入

クリアスウィフトは、SMB向けの電子メールおよびWebセキュリティ機能のパッケージを発表。情報漏えい対策製品として展開する。

» 2008年05月13日 11時15分 公開
[ITmedia]

 クリアスウィフトは5月12日、電子メール保護とWebセキュリティ機能を中堅・中小規模企業向けに提供する新製品「Smart Web & Mail」を発表した。SMB市場向けの情報漏えい対策ソリューションとして6月16日に発売する。

 新製品は、電子メール保護アプライアンス「MIMEsweeper Email Appliance」とWebフィルタリングアプライアンス「MIMEsweeper Web Appliance」をパッケージ化し、500ユーザー以下の企業を対象に低価格で提供するもの。1000ユーザー以上向け製品と同等の機能を持ち、アプライアンスの性能を高めたのが特徴だという。

「Smart Web & Mail」アプライアンス

 大規模企業を中心に導入実績のあるMIMEsweeperシリーズでのセキュリティポリシー策定のノウハウを、中堅・中小企業向けに標準化して提供する。導入方法を7段階のウィザード画面で説明するステップガイド機能が用意され、設置から最短30分ほどで運用を始められるという。電子メールおよびWebの利用状況の確認やポリシーの管理を1画面で行え、1つのリポートとして出力もできる。ハードウェアにはDell製の高性能モデルを採用し、従来製品に比べてパフォーマンスが25%向上した。

 ライセンス体系は、従来では個別製品として250/400ユーザーの2つが提供されたが、新製品は50ユーザー以下も加えるなど5つに広げた。参考価格は50ユーザーの場合で初年度導入費用が130万円、次年度以降はサポート費用のみが適用される。個別に購入する場合と比べて15%価格を下げた。

 同社の嘉規邦伸社長は、新製品発売を機にSMB市場でのシェア拡大を表明。電子メールなどによる情報漏えいを防止するソリューションとして展開する。

 「国内のSMB企業では、スパムなど外部メールの脅威に対しては関心が高いものの、送信メールによる情報漏えいへの関心はまだ希薄だという印象がある。電子メールとWebを包括的に保護するメリットを訴求したい」(嘉規氏)

ポリシー管理画面

 新製品では、標準化したセキュリティポリシーだけでなく、グループ単位でのポリシー管理やユーザー権限に応じたポリシー設定も柔軟にできるという。送信メールの本文や添付ファイルに含まれる内容を50階層に分解・検証し、ポリシーに応じて重要情報の判定と流出を防止する。「例えばクレジットカード情報が含まれる場合に、クレジット番号を構成するロジックに照らして、情報を正確に判定する」(嘉規氏)

 パートナー戦略についても、電子メール保護やWebセキュリティ技術を持つベンダーを中心に製品連携の幅を広げる。例えば送信メールを暗号化する際に、送信画面のプルダウンメニューからアルプス システム インテグレーションの「Document Security」やNECの「InfoCage」日立の「秘文」などを選べ、国内で利用頻度の高い技術を利用できるようになっている。

 嘉規氏は、「われわれは地域ごとの活動の自由度が他社よりも高い。自社開発に加え、ソリューション、セールスの両面で日本に適した製品をパートナーと拡充したい」と話す。年内には電子署名機能も実装し、電子メールの安全性をさらに向上するいう。

 現在、売上高の15%程度占めるSMBユーザーの比率を数年間で25%程度に高めるのが目標。また、売り上げ規模を3年間で2倍に伸ばすとしている。

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