「ストレージエコシステム」を築くSNIA

SNIA(Storage Networking Industry Association)会長のヴィンセント・フランチェスキーニ氏は、ストレージの最新トレンドとして仮想化、コンソリデーション、グリーンを挙げる。

» 2008年05月17日 08時00分 公開
[石森将文,ITmedia]
SNIA会長ヴィンセント・フランチェスキーニ氏およびSNIA日本支部会長松島等氏(松島氏は富士通 ストレージシステム事業本部長代理)

 ストレージネットワーキングの業界団体SNIA(Storage Networking Industry Association)で会長を務めるヴィンセント・フランチェスキーニ氏が来日。データ量の増大がデータセンターの外(一般の業務範囲)までおよび、そのマネジメントが企業のCIOやITマネジャーにとって深刻な問題になっていると指摘する。

 フランチェスキーニ氏は、このような課題を解決しうるアプローチとして、仮想化、コンソリデーション、グリーン(省電力化)を挙げる。そしてこれらは、ストレージ市場における最新トレンドでもあるという。

 仮想化や統合、グリーンITといったキーワードは、サーバ分野において語られることが多かった。しかし「ストレージはサーバ本体だけでなく、それを管理するミドルウェアと組み合わせて運用されることが前提だ。各分野が単体で課題解決を図るのではなく、『ストレージエコシステム』の構築を目指す」とビンセント氏。

 SNIAの取り組みとしては、マルチベンダ環境における共通したストレージ管理を実現するSMI-Sの標準化や、異なるアプリケーション、異なるストレージでデータの受け渡しを可能とするAPI、XAM(eXtensible Access Method)のリリースを継続的に行うという。XAMについてはすでにバージョン1.0がリリースされており、2008年中旬には、XAM SDKのリリースも予定されている。

 グリーンITという課題については、「2007年の調査では、ITマネジャーが認識するストレージの課題のうち、合計64%がグリーン関連だ」と指摘。SNIAとしては、参加企業間での技術開発を進めることはもちろん、ベストプラクティスを通じた啓蒙活動や、各国の政府系機関と連携した省電力/省スペースへの取り組みを進めるという。

 SNIA日本支部会長を務める松島等氏(富士通 ストレージシステム事業本部長代理)は、「日本においては、ストレージに関して独自の強みを持つ国産ベンダーが多く存在する。SNIA Japanとしての啓蒙活動を強化するのはもちろんだが、ストレージのユーザー企業およびユーザーそのものと相互に情報を共有できるコミュニティの構築を目指したい」と述べる。今後はインターネットを通じた情報開示を協力に推進するなど、メジャーメントを強化するという。

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