NTTドコモ、携帯電話夏モデルの「906i」と「706i」を発表無線LAN対応機を一般向けに

NTTドコモは夏商戦向け携帯電話端末の新製品「906i」および「706i」シリーズを発表。無線LAN対応モデルを初めて一般向けに提供する。

» 2008年05月27日 20時13分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 NTTドコモは5月27日、夏商戦向け携帯電話端末の新製品「906i」シリーズおよび「706i」シリーズを発表した。無線LAN対応端末を初めて一般向けに提供するなど、19機種を投入し、6〜9月にかけて順次発売する。

 新製品の特徴は、ハイエンド機シリーズの906i全機種で大容量の動画コンテンツのダウンロードやアップロード利用に対応したほか、従来は法人向けに限定されていたFOMA/無線LANデュアル対応端末を一般向けに初めて提供する。706iシリーズでは全機種で薄型デザインを採用しつつ、ワンセグや国際ローミング対応など機能強化を図ったほか、文字表示を大型化した「706ie」と呼ばれるモデルをラインアップに追加した。

N906iL onefone(左)とホームUの概要

 一般向けでは初の無線LAN対応モデル「N906iL onefone」は、IEEE802.11a/b/gの無線LANエリア内では「050」番号のIP電話機として、屋外では通常のFOMA電話機として利用できる。ドコモでは906iLの発売に合わせて、家庭向けFOMA/無線LANデュアル通話サービス「ホームU」を開始する。N906iLは法人向けIP内電話サービス「PASSAGE DUPLE」「ビジネスMoperaIPセントレックス」対応端末としても展開される。

 ホームUを利用するには、バッファローやコレガ、プラネックスコミュニケーションズ、NECアクセステクニカ、NTT東西が提供するWMM(Wi-Fi Multi Media)のQoSに対応した無線LANルータと、マルチセッション接続に対応したFTTHおよびADSL回線サービスの契約が必要。通話料はホームU加入者同士では24時間無料となり、ホームU加入者以外への通話もFOMAの各種プランに比べて3割ほど割安になる。データ通信料は無料で、IEEE802.11a/bでは最大54Mbpsの通信速度でiモードなどが利用できるという。

 月額利用料は1029円で、ドコモは利用者宅に訪問して設定を代行するサービスも提供。費用は訪問料が5250円と基本作業料が4725円。端末を複数台利用する場合は1台ごとに追加作業料525円が必要になる。端末側では、「FOMA/ホームU」の待ち受け(いすれかを優先)と「FOMAのみ」「ホームU」のみの着信設定が可能。当面は家庭向けサービスとなるが、「法人向けサービスとの連携や無線LAN環境でも“090”番号を利用するといったサービスも検討している」(ドコモ関係者)としている。

 906iシリーズでは、このほかPCに保存した動画データをインターネット経由で視聴する「ポケットU」サービスへの対応やブルーレイディスクレコーダーとの連携、最大2Mバイトまでの動画/画像アップロードサービスに対応。国際ローミングサービスの対応地域拡大や災害時ナビゲーションアプリを搭載する。機能ショートカットメニューを全機種で共通化した「ダイレクトメニュー」なども用意した。

906iシリーズ(左)および706iシリーズの特色

 706iシリーズでは、防水モデルの「F706i」やワンセグ搭載で世界最薄モデルの「P706iμ」、健康管理サービス対応の「SH706iw」などをラインアップ。「706ie」シリーズではLG電子とNEC、松下電器、シャープの4機種が用意されている。

中村社長

 ドコモは4月26日に新しい企業ロゴとユーザーの声を重視した端末・サービス提供を柱とする経営方針「新ドコモ宣言」を発表した。新製品について中村維夫社長は、「新ドコモ宣言を具体化するものの1つで、誰もが使いやすいものを目指した」と発表の席でコメントした。

 質疑応答では料金プランやサービスに関する新施策が無いことに対する指摘が相次いだが、回答した永田清人執行役員は「新しい取り組みはまだ始まったばかり。最初は端末側の課題として数年間後回しにしていたユーザーの改善要望を反映した。新生ドコモの具体的な成果は半年後、1年後の端末やサービスを見てほしい」と述べるにとどまった。

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